2011-01-08

楽庭根頭がんしゅ病crown gall情報 2011

思い出したときに記録しておかないと。
本日植え替えをしたグリーンアイス挿し木苗の一つに、根頭がん腫のこぶを見つけました。直径2cmほどの薄っぺらいがん腫でした。これでまた一つ根頭がんしゅ罹病株が増えてしまいましたとさ。

Rosalind Infinita2010-02-24「消毒が必要なの?」で列挙した楽庭のがんしゅ株を再度確認。

2009年末に確認した限りではがん腫克服した苗が4つ。
・ダイアナ
・Maidy
・アブラハムダービー
・レディオブメギンチ(入手時に既にがん腫有)

新たながん腫罹病苗が、
・アスピリンローズ(小さながん腫)
・ギーサヴォア(中程度のがん腫)
・和音(10円玉大のがん腫)
・ディズニーランドローズ

2010年末~2011年にがん腫発見した苗
・グリーンアイス
・スヴニールドゥフランソワゴーラン

2009年にがん腫を発見し切除した苗で一旦回復に向かった4つの苗のうち、現在生存しているのはアブラハムダービーのみです(恐らく輸入苗)。同じERの輸入苗レディオブメギンチは、記述の通り、苗が手元に届いた時点で既に株元にこぶが見られ、癌腫に罹っていました。直ぐに切除したのですが、春の花後、昨年の夏に枯死してしまいました。身元不明のMaidyも同じく春に開花したものの、夏に樹勢を落とし10月頃枯死しました。

2009年末に癌腫が見つかった4つのバラのうち、ギーサヴォワは6月に枯死。ディズニーランドローズは昨年10月頃から樹勢を落とし、現在集中治療室入りしていますが、かなり重篤です。
昨年末のバラ苗植え替えログにも書いたとおり、アスピリンローズには癌腫が再発していました。念のため療養中ですが、調子が悪くなるようならば、根の確認を早めにしなければならないと思っています。

根頭がんしゅ病については、羅雫森Useful linksに掲載してあるお役立ちページに解説や画像がありますが、さしあたり以下の2つを列挙しておきます。
NIFS-バラ根頭がんしゅ病
Takii Seed Net 花前線 バラ類 根頭がんしゅ病

Takii Seed Netの記述一部を以下引用
病原はアグロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)という細菌の一種で、1~3本の鞭毛を有する1~3×0.4~0.8μmの棹状細菌である。14~30℃で生育し、適温が22℃、死滅温度は51℃。多くの作物に本病を引き起こす多犯性の細菌である。
病原細菌は傷口から侵入し、土壌伝染、接触伝染によって広がり、土壌中に長く生存する。したがって発病株は全身が汚染されている場合が多いので、接ぎ木用の母木には用いない。また、汚染株を切ったり、掘り起こしたりした刃物やスコップなどに病原細菌が付着して、健全株の切り口などを次々に汚染する。

このアグロ・・略・・エンスっていう細菌は文字通り植物を植民地化してしまうんですね(下記関連記事の2009-9を見てね^^)。そのため、寄生された植物が取り入れる栄養を自らの体内に取り入れて自らはこぶを肥え太らせ、植物は痩せ細って衰弱するってわ~け~。
こぶそれ自体には病原菌は存在しないらしいのですが、アグロ・・略・・エンスは、株自体に残存するらしいから、根頭がん腫にかかった苗からは挿し穂をとったり接ぎ木用の親木にしたりしない、ってわ~け~。

ありゃ?
楽んち、去年グリーンアイスで挿し木して発根して、目下育苗中だけど、どうなるかしら?

んでもって、せっせっせっせ~と植え替えした用土を篩にかけてるけど、篩も消毒しなきゃいけないの~?!んなメンチ~こと、やってられまっせん!
当該細菌は摂氏51度で死滅するらしいけど、土の熱湯消毒は、余程のことがない限りしない派なので、一応羅病株の植えてあった土は、ネームプレートを挟み込んで、それと分かるようにしてあるけど...多分、熱湯消毒しないだろうなぁ。。。(そんな事をするスペースは今のところ無いから、ってのが主な理由だけど)。今までも根頭がん腫株の用土って熱湯消毒したこと無いし。それに、このアグロ・・略・・エンスは、土壌細菌だからさ、言ってみれば、どこにでも存在しうるわけでしょ?
んだったら、それこそ、良い土になるように工夫を凝らして、だな、有益な菌を増やして、だな、ちょっとやそっとの細菌なら対抗できる体力を土にも苗にも付けて貰えば・・・なんて、ヘタな考え休むに似たり?

ところで、以下のような研究が為されているらしいっす。
根頭がんしゅ病は植物腫瘍の一種である。根頭がんしゅ病菌 Agrobacterium tumefaciens から植物細胞へ遺伝子導入が行われることから、一旦腫瘍が形成されると根治不能となる。しかしながら自然界には植物根頭がんしゅ病が蔓延しないことから、根頭がんしゅ病に対する抑制菌が存在すると考え、スクリーニングを行った結果、根頭がんしゅ形成を抑制する土壌細菌を複数種分離することができた。そのうちの一種は腫瘍形成機構そのものを抑制することが明らかとなった。本機構の解明により、効果的な防除剤の開発につなげることが期待される。〔ココから引用〕
ふ~ん。自然界には植物根頭がんしゅ病が蔓延しないのか。
やっぱりね。
自然界には拮抗勢力が存在してるってことじゃんバラじゃん!
え?バクテローズのことじゃないのかって?
違うみたいよん。
特許出願がココによると2006年だから。


《根頭がんしゅ関連記事》
・2009-5 根頭がん腫病〔Crown gall 〕
・2009-9 バラの家物語32 -宿命を越えて-
・2010-1 バラの家物語45-根頭癌腫病再考-
#このページでリンクさせている【根頭癌腫について by YBC】は、掲示板変更のため適切なページが表示されなくなっています。悪しからず。

0 件のコメント:

コメントを投稿