ページ

2009-10-11

言の葉2:I is the 9th

本シリーズ「言の葉」に登場する「木村君」は架空の人物です。
あらかじめお断りしておくのを、前回失念しておりました。
訂正せずお詫び致しまするm(_ _)m

●日本語を表記する音節文字カタカナ/ひらがなはいくつある?
 あかさたな・・・って数えてみて×5で40
 や・ゆ・よ
 わ・を・ん
 ゐ・ゑ
・・・・・48文字?

●「音節文字」ってな~んだ?
Quoted from Wikipedia:
A syllabary is a set of written symbols that represent (or approximate) syllables, which make up words. A symbol in a syllabary typically represents an optional consonant sound followed by a vowel sound.
 *consonant:子音
 *vowel:母音

子音と母音はあっても父音って云われないんだよね^^;
っつーか、父音=子音のことだからにゃあ。。。
バラ『ファーザーズディ』
ファザーズディ(Pol橙)国産苗大苗6号鉢植品


☆☆=========☆=========☆=========☆☆
●英語字母アルファベットを全て使った英文。
A quick brown fox jumps over the lazy dog.

日本語の「いろは」みたいに1文字1回こっきりって訳にいかないのが英語。何故なら、仮名と同じ表音文字(文字一つ一つに音がある)だけど、子音と母音が最初から組み合わされてる仮名(音節文字)とは異なる音素文字〔または単音文字〕segmental scriptだから。


●英語のアルファベットは何文字ありますか?
答えは26ですよね。
はい、そこの木村君、指折り数えないように。

アルファベットって何故アルファベットって云うの?
それはねー、英語の字母がラテン字母を借用していて、ラテン文字はギリシャ文字を借用しているからなのよ。
ギリシャ文字の最初の二文字は
Α(α)〔アルパ〕
Β(β)〔ベータ〕
で、アルパベータ→アルファベットalphabetになったとか。
でも古代ローマではラテン文字のことをエレメンタelementaと呼んでいたそうです。elementa転じてelement(en.)ですね。「要素」とか「基本」とか云う意味の英単語。

●では、何故ラテン文字がelementaと呼ばれたのか?
ハッキリとは分かりません。でもラテン文字を並べてみると、「そうかもしれない」と思えることが見つかります。

【ラテン語を表記する文字=ラテン文字Latin alphabet】
以下、大文字で古いラテン語の20文字+X+ギリシャ文字のYZを並べてみました(小文字は後世になってつくられた文字です)。

  A, B, C, D, E, F, G, H, I, K,

  L, M, N, O, P, Q, R, S, T, V
 
  X, Y, Z

ここで2列目先頭3文字はLとMとN。そこで、

 える+えむ+えぬ=えれめん
 えれめん+ta=えれめんた

になったという説があります。
んでも、なして2列目?-taって何?名詞化する接尾辞?


●ラテン文字は23文字?
英語のアルファベットにあるのにラテン語にない文字は?
むしろ逆ですよね。ギリシャ語>ラテン語>英語なわけだから。
上記第1列目では、9番目のIまでは英語のアルファベットと同じ。
上記第2列目では、9番目のTまでは英語のアルファベットと同じ。
3列の中で英語にあってラテン語にない文字は、JとUとWの3文字

●半母音のJと母音のI
Jは半母音と言われ、音としてはIと同じで古代ラティウムではIとJは区別されていませんでした。
 「こんなの好きじゃない!嫌!いや!や!やだ!」
と駄々をこねてキッパリ突っぱねる時に使う「いや!」
強調して1音で「や!」って言ったりしますよね?
この時の「や」をラテン文字で表すと、IAになるのです。
もともとIという文字が母音の〔i〕と半母音の〔j〕とに用いられていたのですが、次のように母音が二つ重なる時には、音にJが入ってくるので、分かりやすくJを頭に付けて表記したようですね。 
 I+A→イア→ヤ
 I+U→イウ→ユ

※後世のラテン語ではUの文字が〔ウ〕の音価をもつ文字として使われます。


●母音のUと子音のVと半母音のW
古くは、母音〔U:ウ〕の音と半母音の〔W:ウ〕にもラテン文字Vが用いられていました。ラテン語が発展する段階のどこかでVが子音として用いられるようになっていきました。現代のラテン語文法書では子音の〔ウ〕にはVを、母音の〔ウ〕にはUを用いています。

WはJと同じように半母音〔w:ウ〕です。
・仏語でWは「ドゥブルヴェ」という名称です。仏語で2は「ドゥ」ですよね。つまり、
 V+V→ VV→ W

・英語でWは「ダブリュ」という名称です。
 U+U=double U→ W

●Y,Zはギリシャ由来
この2つの文字はギリシャ起源の単語にしか用いられません。

【以上のまとめ】
現代のラテン語教則上、ラテン文字は25文字である。
 英語のαβ26文字 - Wの1文字 =25文字


*****

以下、ラテン文字の音価についてメモランダムです。

Kは朔日だけ
ラテン語でCは元々〔g〕の音を表す文字でしたが、古典ラテン語にはなかったGが作られると、Cは常に〔k〕の音を表すようになりました。するとKは使われなくなってしまう運命に。ただ一語だけKalendaeという言葉にのみ用いられます。Kalendaeは利子の支払い期限日を表す言葉「朔日」です。英語Calenderカレンダーはこれに由来する言葉です。

●QはいつもUと一緒
Qの音は常にUを伴い、音は〔kw〕です。

●濁らないSとX
英語でバラはroseローズ、ラテン語ではrosaと綴って〔ロサ〕。
Xの音は〔ks〕です。くすくす。

●CH, PH, THのHは読まない
ギリシャ語由来の綴りです。ラテン語の読みの場合は無視します。
単独のH(名称「ハー」)の音価は〔h〕です。

=以上、ラテン語を読む時の注意点をまとめてみました。=
=脱落してるものがある場合はご存じの方ご指摘下さい。=
=例外は省略しています。=


□□□今回の宿題□□□
基本的にラテン語はローマ字読みです^^。
aiueoという母音は短い場合と長く発音する場合とあります。ここでは長母音を表す場合に母音の右に*印を付けます(今後も)。

次のラテン語を声に出して読んで一緒にカタカナ表記してみましょう。
答案はコメント欄に記入してみて下さい。

1) u*nus
2) ju*nior
3) bea*titu*do*
4) poena
5) philosophia
6) vi*num
7) zephyrus
8) gigno*
9) agricola
10) zephyrus

 ♪

7 件のコメント:

  1. Bloomです♪
    すっかり見落として、教えていただいてよかったです~♪

    宿題、すぐできるかと思ったけど、難し~。
    7と10は同じです?

    1) u*nus ユーヌス
    2) ju*nior ジューニア
    3) bea*titu*do* ビーティトゥドー
    4) poena ポエナ
    5) philosophia ピロソピア
    6) vi*num ヴィーヌム
    7) zephyrus ゼピルス
    8) gigno* ギグノー
    9) agricola アグリコラ
    10) zephyrus ゼピルス

    どうでしょ?

    返信削除
  2. Bloomさん あやや。同じ問題出してましたね。すみません。
    ラテン語の母音を表す文字は6つ。a,e,i,o,u,yで、音は順にア、エ、イ、オ、ウ。最後のyはドイツ語のウムラートに似た音。ウとユの中間だと私は覚えています。

    1)uは母音
    2)jは半母音
    3)ラテン語では複母音はありません。1つの文字に1つの音が基本です。
    4)正解「罰」という意味です。
    5)正解。ご存じ「哲学」です。
    6)vの音価は「ウ」です。意味は葡萄酒。葡萄酒は英語で何と云う?
    7)phyの箇所は「ピュ」という音になるかと。yはここでも半母音です。単語の意味は「西風」。
    8)正解。意味は「生む」という動詞です。
    9)正解。意味は・・・辞書を引いてみて下さい^^Bloomさんにも関連深い単語です。
    10)は問題変えてみましょかね。zephyrusじゃなくて、exerceo*に変更します。

    ちうわけで、10番の問題の解答と共に、もう一度読んでみますか?

    返信削除
  3. 1) u*nus ウーヌス
    2) ju*nior ウーニア
    3) bea*titu*do* ビィアーティトゥドー
    4) poena ポエナ
    5) philosophia ピロソピア
    6) vi*num ウィーヌム
    7) zephyrus ゼピルス
    8) gigno* ギグノー
    9) agricola アグリコラ・・・ほんと・・馴染み深い単語ですわ・・
    10) exerceo エクサセオー ?

    発音のルールをしっかり覚えなくちゃいけないんですね。
    まずそこから、。だわ。

    返信削除
  4. あ。二番、ユーニアかなぁ。

    返信削除
  5. bloomさんへ
    1)正解
    2)おしい!ユーニオルです。n+iと結合して「ニ」でしょ。で、そのあとはoとrで「オル」。rの音価はラテン語では英語と違って消えません。
    3)実におしい!母音eの音価は「エ」ですから、b+eで「ベ」になります。そこだけ違う。あとはGood!
    6)正解
    7)phの後のyは半母音として読むと「ユ」になるので・・・、どんな音になるでしょう?
    10)cはどんな音価でしたか?他は合ってます。
    もう一寸で全問正解です!
    ラテン語の発音は英語と違って規則性がハッキリしているので頭に入れておくと後々(他の言語学習などにも)便利ですよ~。

    返信削除
  6. おおお。面白いですね♪
    一人でモクモクとやるのは、なかなかできないけど。
    先生がいると、楽しいです。

    2 rは消えないのですね。メモメモ。
    3 ベァーティトゥドゥー
    7 ゼピュルス
    10 エクサケオー cはkでしたっけ?

    返信削除
  7. bloomさん おもしろいと思っていただけ嬉しいです!
    rが消えないというのは、印欧語族言語の中では割と一般的です。インド諸語でもrをハッキリ発音する場合がおおいので、インド英語は巻き舌が多く聞こえ特徴的なのです。例えば、
    Your father and mother are good persons.
    という英語を大袈裟インド風で書くと、「ゆある ふぁーざる あん まざる ある ぐどぅ ぱるそんず」ってなったりするんですよ(^^)
    最後の10)は「エクセルケオー」と読みます。意味は「鍛錬する」「鍛える」。エクササイズの元の言葉です。
    >cはkでしたっけ?
    そうで~っす。英語ではhを伴ってチャ行に読んだりすることもありますが、ラテン語ではc=kの音価です。

    返信削除