昨未明(8/8朝方)の夢には、
IRL(バラの数だけ愛がある会)海員さんが出演。
#ご芳名イニシャルで敬称略表記(^^)#
そんなもんがあるかどうかは分からないが、「夢のテーマ」は『瀕死のバラをみんなで救え!』だった。明らかにテーマを頭の片隅で意識しながら夢を見ていた。
***
建物に出入り口は2箇所しかない。
そのうちの狭い方には扉さえ付いていない。
扉の外側にゴチャゴチャと固まったカラフルな物体。
バラがいくつか枝を絡めてしまい解けなくなっている。
花を咲かせたままの状態だ。
これは現実の何を象徴しているのだろう?
夢を見ている自分が、ふと思った。
花が咲いているものは特に絡み合い窮屈そうにしている。
一方、重たそうな蕾を抱えつつ花托のすぐ下で首を折られたように俯いているものもある。
これが終わったら、ゆっくり一つずつ解くから、
待っててね、御願い!
その景色を斜めに見ながら楽趣味はお湯を沸かしている。
「シュンシュン!早く沸いて!シュンシュン!」
心の中で焦るように叫き地団駄を踏む。
楽趣味が立っている場所は台所の床の上だ。
足が固定されているかのように、バラ花壇のある方は体を捻らないと見る事が出来ない。
バラ花壇のある方はスッキリと晴れわたっている。
一方、水色と白の小さなタイルを敷き詰めた古めかしい台所には、ガスコンロ台の上方に木枠の腰高窓があって、そこから見やる空にはどんよりと重苦しそうな鉛色の雲がたなびいている。
Kがやって来た。
「道具を持ってきたよ」
言うなり背中にしょっていたオレンジ色のディパックを床の上に降ろし、中身を床の上にぶちまける。古びた洗濯ロープとピカピカ光るピンク色の洗濯ピンチ。
「これくらいの大きさが良いと思って」
走ってきたのか、大きく息をついている。
「で?電車は定刻に出発したの?」
ヤカンを見つめたまま廊下の方へ移動して窓を開け、洗濯ロープの端を戸板に打ち付けてある釘に結びつけながら訊いた。
「うん、2駅目までは定刻1秒と違わず」
洗濯ピンチを一つずつ数珠玉のようにつなぎ合わせながら答えるK。
そうか・・・すると、電車が3駅目に到着する前に、駅前の自転車置き場左隣にあるバス停で待っていれば乗り換えられるってことよね。だけど、乗り継ぎの時間は数分もない。急いで階段を駆け上がらないと間に合わない。だのに、何故私はそこで何時来るとも知れぬ何かを待っているのだろう?
そう呟こうとした口の動きよりKの言葉が一瞬早かった。
「海員みんな各自荷物を持って現場へ行くって」
「わぁっ!頼もしいね!」
そう言うなり、どこか知らない場所に次々と集まってくるみんなの姿が壁際の暗闇に映し出されたような気がした。
「WもDも仕事が終わったら駆けつけるって言ってた」
「それはものすごく心強い~~!!」
「それと、Mさんが大切な話があるとか・・・」
「大切な話?何だろう?あのMさんが、でしょ?」
何だろう?のセリフが頭に渦巻く。
コンロにかけているヤカンの蓋がポテっと音を立てた。
お湯が沸いたようだ。
もう一方の外壁の端に洗濯ロープを結わえてピンと張った途端、それまで垂れ込めていた雲が消え、ぴっかりぴんの晴れた空になった。芝生の上に雲の陰が出来るくらいに。
楽趣味は再びバラ花壇を振り返った。
そよ風が吹いているようだ。
室内は電灯を付けていないため薄暗い。
それとは好対照をなすように、花壇付近は眩しく光っている。
また・・・だ。
また、同じ場所に立って何かを待っている。
これは夢だ。
何故なら、其所に立って何かを待ちわびている自分を私自身が見ているから。
以前にも見た事のある風景だ。
何故、其所が何度も夢に出てくるのだろう?
違ったストーリー展開、異なるシチュエーション、登場人物の顔も違うというのに、度毎に其所が出てくる。
其所・・・一カ所の其所ではない。
記憶にある限りでは、5箇所ほど同じ場所が登場している。
今回の其所は・・・右手にコンビニエンスストア・自分の斜め後ろにペンキの剥げかけた年代物のバススタンドの標識。左手には露天の狭い駐輪場。どうやらコンビニの駐輪場が駅前の駐輪場を兼ねているらしい。学生たちが通学の乗り継ぎに使うから慌てて置いていくに違いない。込み入った形で数多くの自転車が絡まりあい上手くバランスを取って一つの巨大な塊になっている。
目の前が埃っぽくなってきた。
小規模の砂嵐だ。
アスファルトで塗り固められているはずの車道が一瞬縮む。
一体私は何をここで待っているの?
片腕に抱えているものは本だ。
待っている間にページを開いてみれば?
抱えている本にはラミネートのカヴァーがかけられている。
何故其処にそうして立っているの?
電車に乗り換える時間を気にしながら待っていなければならない。
「じゃ、私もみんなと合流するから、行くね!」
楽趣味の背中に言葉の塊を軽く投げてKがディパックを再び肩にかける。
そこで我に返った。
「あ」言うまもなくKは姿を消した。
と同時に、Mが上がり框に現れた。
「これを持って行きなさい!しっかりね!」
それだけ言うと目の前からいなくなった。
Mから渡されたものは古びた紙切れだった。
何も書かれていない白紙?
これをどうすれば良いの?
大事な話があるんじゃなかったの?
一斉に疑問が生じ、それぞれに違う声で頭の中に響いた。
「行かなくちゃ!でも、待っていなくちゃ!」
遠くに集っているはずなのに、みんなの声が近くに聞こえる。
再び古びたバス停標識の横に立つ自分を見る自分がいた。
手には古びた紙切れ一枚。
46秒・・・45秒・・・走れば間に合う。
32秒・・・31秒・・・決断しないと!
17秒・・・いよいよだっ!
***
同じ場所が何度も夢の中に出てくる事ってありませんか?
行ったこともない、見た事もない場所。
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