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2009-06-30

黒星病Black Spotとの闘い3-菌糸の発芽から成長まで-

〔注〕本日6/30に投稿しますが、必要に応じて加筆修正します。最終校正日をUPします。
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忘れっぽいし、順を追って整理しおさえていかないと気が済まないタイプなので、まずは黒星病の〈感染してから広がるまで〉を復習することから。

分生子(胞子のこと)は
発芽して(適温は18℃:発芽するには水分のある葉で9時間以上必要)
  ↓
感染して(適温は19-21℃:葉に感染するには7時間以上濡れた状態が必要)  
  ↓
進展する(適温は24℃)

〈ポイント〉
発芽して、感染して、進展するの順に適温が上がっている
発芽するのも感染するのも比較的長い時間の水分接触が必要である

北海道などの冷涼で梅雨がないと言われる地域を除いて(2009年は蝦夷梅雨の時期があったとか?)、まさに入梅前後の時期に多発しやすいバラの病気ということですかね。秋の長雨も注意時期。

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いよいよここからが正念場(誰の?)です。グっと引き締めていきましょう。グっ!

【Stage 1 -発芽と吸管形成-】
分生子(胞子)が発芽すると管のようなものが伸びて、 葉のクチクラ層(表面を覆っているクチン層)を貫き、葉の中にある細胞cellと細胞の間で成長し始め、 菌糸が細胞壁にプチっと突き刺さって宿主となる細胞に吸管を伸ばす

「管伸びて→クチクラ貫通→成長しー→吸口伸びる」
      ↓
「細胞の栄養を吸い取る」へ
 
この吸器でもって細胞内の栄養を吸い取り自分の栄養に換えて自分だけ成長し、バラの葉には黒紫褐色のギザギザなシミを生成させてしまうんです。まるで吸血鬼。バラの害虫でもいますよね、口吻でチュウチュウ吸って蕾にちんまい黒点と卵を残してくれちゃうチョッキリ(ゾウムシ)ってヤツ。彼奴のこともわたしゃ吸血虫って呼んでますけど。


【Stage 2 -二次菌糸形成と発病-】
栄養分を吸った翌日には、二次菌糸が形成され、 約1週間後には宿主細胞あたり5-8個の吸器が形成される。このプロセスは葉の表面のみならず、裏面の場合も同様。ただ、葉裏面の場合は、吸器が葉肉中を進展し、葉の表裏で生育する点が異なっている。症状が現れるのは、温度や宿主にもよるが、3~16日目からである。

ということは、仮に6/1に黒星胞子が発芽したとして、6/2には二次菌糸が出来て、遅くとも6/9には10個程度の吸器が出来てしまうってことで、葉面に病班という形で症状が人間の目で確認できるのは、早くて6/12、遅くて6/25って計算が出来るわけですよね(間違ってたら指摘して下さい)。


【Stage 3 -分生子層の形成と拡大-】
分生子層(胞子の生産現場)は、葉面保護層の下で、葉表面側で11日、裏面側で1カ月で形成される。このとき、相対湿度が低下して、葉面保護層が破れ、胞子が露出する。この胞子が雨水や灌水などで飛散したり、昆虫の体表に付着して拡がっていく。

左の画像は(社)農林水産技術情報協会のページで見つけたものです。黒星の病班が真っ黒な状態で葉のあちこちに点在してますね。おそらくこれは、分生子層が形成された後の状態なのだと思います。
画像左隅に葉の一部が黄変しているのが見えます。
これは、分生子(胞子)が発芽して成長を続ける活動を行って葉内の栄養分を吸い取ってくれちゃてるところのようです。それで、バラの葉に植物ホルモンの一つであるエチレンというのが溜まってしまう。このエチレン(のもつ働きについてはまた別の記事で述べることにします)というのはバラが黒星病菌の侵略を受けて自分の細胞が冒されているということを気づいた瞬間にバラ自身が生成するものなのです。防御反応みたいなものです。そうして一方では抵抗しながらも、エチレンの生成によって組織の色が変化してしまう、つまりは、バラ自身が「闘っている証拠」を見せつけている、ということなのです。これを私たちは見逃さないようにしなくてはいけません。。。
*ここら辺りのことは植物の生態生理学上非常に興味深いところですが、長くなるので植物ホルモンのことと併せてまた別の機会に。

黒星病の菌は主に分生子(胞子)という形態をとりながら、バラの葉表面に薄く存在してバラが外敵から自分自身を保護しているクチクラ層*の直下でいわば彼らの「住処建設活動」を続けるのですね。太陽光との関係で建設にかかる日数が違ってくるのでしょうかね?植物の生理学専門家に教えを請わないといけません。 その期間は、葉の表面だと二週間足らず、葉の裏側だと約1ヶ月。

*クチクラ層とは・・・以下wikipediaから
(クチンを成分とする)クチクラCuticulaは、キューティクル、角皮ともいい、表皮を構成する細胞がその外側に分泌することで生じる丈夫な膜である。様々な生物において、表面を保護する役割を果たしている。人を含む哺乳類の毛の表面にも存在する。 昆虫(特に甲虫)や節足動物の場合、クチクラは外骨格を構成し、また軟体動物の殻や卵の表面を覆う生体物質である。甲殻類ではキチン質という多糖類が主成分で蝋なども含有されている。 植物においては、表皮の外側を覆う透明な膜で蝋を主成分とする。特に乾燥地や海岸の植物の葉ではよく発達する。また、いわゆる照葉樹林というのは、それを構成する樹木の葉でクチクラ層が発達し、表面が照って見えることに由来する 。

さて、分生子層という住処を作り上げた後、黒星病菌はどうなるのでしょうか。
恐ろしいことに、湿度が低下すると、分生子層が破れて(風船が割れるような感じでしょうか)胞子が外へ噴出します。怖いですねー、許せないですねー。けれど敵も生き物。自然界の中ではある程度仕方のないことかも知れません。
そして、降り注ぐ雨粒や人間様が散水する水しぶきに乗じてあちこちに飛散したり、或いは昆虫の身体にくっついたりして、他のバラへと活動領域を広げていくのです。

前回の「黒星病との闘い2」でも少し触れましたが、黒星病の菌は土中では長期間生存できないようです(約一ヶ月)。バラの黒星病菌はバラにのみ有効で、他の植物には他の植物の黒星病菌があります。バラの黒星病菌の宿主は当然バラです。病菌は宿主であるバラ以外の物体に付着しても、長いことは生きていけません。発芽の条件が整わないからです。けれど、落葉した感染葉内では分生子層がありますから、ここで生き延びて胞子を飛散させてしまうから始末に負えないですな。温度条件がよければ越冬も可能ですから、忘れた頃に黒星の病原菌が形となって現れたりすることもあるのです。従って、用具類資材類にも今の時期から入念に注意しておかないと、翌年の黒星発生の多寡に関わってきます。

いよいよ黒星病との闘いシリーズも大詰め。
これにて力尽きました。6月末ですし^^;
最終章は次回にお預けっす。ちかりたーー。

参考文献:長井雄治『バラの病気と害虫 』(農文協)
    :ヲルターラルヘル『第二版 植物生態生理学』(シュプリンガージャパン)



薔薇の名前:『ピエーゥルドゥロンサール』Pierre de Ronsard(CL)〔M.L. Meilland, 1987〕一季咲
それとは知らずに新苗で購入して、初年咲いた花に「こんなのピエールじゃない!」って勝手に駄々をこねたあのころ。。。バカだよねー。株を充実させないといけないなんて知りもしなかった。でも、今では我が家の古株のうち一番手がかからない御方として、鉢植だけど健気に花をたくさん咲かせてくれます。ごめんよー、母ちゃんホンマにアホやってん。軒なんてありませんから、雨が降ればじゃかじゃか雨水がふりかかりますが、こんなダメ母ちゃんの元でも黒星の被害は殆どないお利口さんです。ありがとね。

楽天ショップ「バラの家」『ピエールドゥロンサール』(Ant桃)国産苗新苗6号鉢植品



2009-06-28

Head heat, foot cool 頭熱足寒




♪たーじまはぁ~あ~~ぅ、たじまは~る♪ 〈repeat 2 times〉
♪どぅあもーっどぅぷりんすぃびしゃじゃはん、でらぷりせざにゅまはる♪

「インドに数多くあるユネスコ世界遺産のうち、恐らく最も○○○の高い世界遺産であると考えられる」
さて、ココで問題。
○○○には漢字三文字で何が入るでしょー。
コメントに答えをお書きの上ご応募ください。
正解者には抽選で1名様に画期的プレゼントが!

あるかもしれませんですよ。


さて、このTaj Mahal ताज महल(←インドのヒンディー語の字母であるdevanagariで書くとこうなります)総大理石で造られたムガル朝の建造物です。
っていっても、宮殿でもなければ寺院でもない。
そう、ジョルジ・ベンの飄々とした歌声が妙に色っぽいブラジリアンムジカーのタイトルなんです。
あぁ・・・良い声ねぇ、うつとりぽわ~ん

じゃなくて!
ムガル朝第5代皇帝シャージャハーンShihāb al-Dīn Muhammad Shāh Jahān(ガンダムに出てくるシャアじゃないっすよ)がこよなく愛して愛して愛し抜いた王妃ムムターズマハルMumtāz Mahalの墓として造ったものっすわ。この建物について語ると長くなるので、また別の機会にすることにして...と。

このTaj Mahalを訪れたことのある人ならおわかりかと思いますが、畏れ多くも王妃の墓ですから、まず墓廟への基壇で靴を脱がなくてはいけません。暑いのに裸足かー、やだなぁ?と思って床に足をおろすと、♪ひんやり~ちべた~ぬす♪

そりゃそうだ。大理石だもん。
周りに4本建っている尖塔の周囲も、内部の墓廟へ続く螺旋階段大理石。ひんやり~がずっと続くんです。
Taj Mahalが在るのは北インドのAgraってとこです。暑いっす。夏には40℃以上当たり前~、で超乾燥してるっす。乗り合いバスに乗って窓側の席に腰を下ろし、開いてる窓にむき出しの腕を乗っけて「ジュっ」っと音がしました。火傷です。それっくらい暑いです。

で、これがどうバラと関係するかっていうと、ですね、
以前海外のバラに関連するサイトを隈無く見てやろう!と無謀なことを遣っていたときに、出くわしたのがタイトルのHead heat, Foot coolだったんですねー。そん時は頭連続使用中で溶解寸前だったから、どこのサイトだったかなんてメモリもぶち切れてましたけど、「な~るへそへそ!そうだよねー!」って言うやたらに納得した記憶だけはきちんと残ってます。

うちは鉢でバラを育てていて、その殆どがコンクリートの床の上。
真夏はさぞや暑苦しかろう・・・ってんで、鉢には必ず煉瓦をかまし、出来るだけ煉瓦にも水をかけるようにしています。なんでって? インドの水瓶クーラー作戦っす。インドで冷蔵庫が今ほど一般家庭に普及していない時期(今でも冷蔵庫のない家庭はたくさんありますよ)、各家庭でよく見かけたのが台所の隅に置いてあるでっかい水瓶。土器の。触ると表面が湿っている。気化熱を利用した生活の知恵で、中の水はとてもcoolなんです。ぷは~っ!美味しい!
で、これをバラ鉢にも使っているってわけです。
ヒンヤリしてますよ、鉢の下に手をやると。
おかげで、たまに暑い時期の水遣りをひょいと忘れても、バラたちにはそれほどダメージは見られません。

あー、ごめんごめん!お水ね、お水!
たっぷりと与える、夏の夕方~。


#このバラがなんという名前かおわかりになる方、いらっしゃいませんでしょうか?
#苗のタグには「エナハークネス」って書いてあったんですけど、どうみてもエナじゃないっすよね?

2009-06-26

"All about Climbing Roses"


つるバラのすべて

久しぶりにバラ関係の書籍を購入した。
著者の村田晴夫さんについては、以前知人が「凄い人だよ~」と言っていたのをどこかで覚えていて、本屋に立ち寄るたびに氏の本を手に取り、眺め入っては溜息をついていた(立ち読みですみません)。

村田さんには何冊ものつるばら関係の書籍があるが、
以前書店で手にとってはみたものの、結局購入しなかった『つるバラの庭』(入門編と応用編の二分冊)は、その後しばらくしてから、出版社の関係か何かで廃刊(?)になってしまったようで、それ以来書店でみかけていない。

あ~、まただわ。あの時買っておけばよかったシンドローム(--;

けれど、村田さんの「つるバラで庭づくりをする」という核心は衰えるどころかいや増すばかりなのではなかろうか、ってなことが感じられた一冊だったから、即買い!でした。

狭い庭だからこそ、つるバラを上手くデザインしていく。
バラを用いた庭造りの第一人者とも言える彼の神髄に触れられそうな一冊。

巻末の「主なつるバラリスト」は凄いっす!



先月お迎えした私の「アル様」→

薔薇の名前:『アルシデュク ジョゼフ』(T)〔Nabonnand, 1892 〕〈四季咲〉
新苗でお迎えしたときに、既に蕾が若干開きかけていたから、記念撮影(^^;

だって~~、欲しくて欲しくてたまらなかったバラの一つなんだもん!(って、あといくつ欲しいのがあるかは秘密)

すぐに鉢増ししました。
我が家の特等席に他の新苗いくつかと一緒に鎮座ましましてます(^0^)
ゆっくりで良いから大きくなってね♪





楽天ショップ「バラの家」『アルシデュック ジョセフ』(T桃)国産苗大苗6号鉢植品

あらっ?(→この「ら」はフランス語風にはちおんしてね)
ジョセフになってるけんど、ジョゼフの方が実際のはちおんには近いよ~>てんちょーー!
。。。って前もてんちょブログでコメントしたっけ。。。

黒星病Black Spotとの闘い2 -菌糸の正体を探らなきゃ-

薔薇の名前:『ブランピエールドゥロンサール』(HT)〈Meilland, 2005 〉
ブランBlancとはフランス語で「白い」という意味。我が家では黒星病への耐病性が高いような印象。三年に一度バラの歴史の長い国で開催される世界バラ連合会第14回大会にて「世界で愛培されている名花」の殿堂入り'Rose Hall of Fame'という名誉を獲得した『ピエールドゥロンサール』。その枝変わりで姉妹花であるバラ。時の開催地は大阪だった。〈世界バラ連合会については近日UP予定。お楽しみに!〉


 
ブランピエールドゥロンサール(Ant白)国産苗大苗6号鉢植品
ピエールドゥロンサール(Ant桃)国産苗新苗


黒星病のことを調べていて、これまで何度ももどかしい思いをしたり、大きな疑問符を残したままバラの栽培書をパタンと閉じたり、を繰り返してきた。
なるほど長井雄治著『バラの病気と害虫』(農文協, 2005)を読めば黒星病という病気についての概要は掴めるが、その対処方法には私が持っていない、また、今後手にすることも(恐らく)ない「農薬取締法」に登録されている合成化学薬剤名が並んでいる。上記書籍に限らず、流布しているバラ栽培書においても同じ事である。

 サプロール
 ダコニール
 マンネブダイセン
 スミチオン
 マラソン
 コロマイト
えとせとらえとせとら(黒星病対処薬ばかりではありません、念のため)

いろんな薬剤名がどの書籍にも出てくるから、名前だけは覚えちゃったわよ!どれが何に効果があるのかは分からないけど。あ、先日届いたレイチェルカーソンの『沈黙の春』でも目にした薬剤名が。。。

よって、無農薬に限りなく近づけて黒星と対処するぞ!と、いざバラと向き合ってみれば、今閉じたばかりの栽培書に記載されている手法は「自分ちの狭い庭」という実践の場とはいきおい乖離してしまうのである。

あぁもどかしい、もどかしい!生物学用語わからんから尚もどかしい!ネットでいろいろと調べては、どれもこれも有効に思えてきたり、ダメに思えたり。イライラは募るばかり。そんなことをしている間にも黒星病菌は今も活動を続けていて、未だ病気にかかっていないバラの葉っぱを狙っているというのに!
やっぱ、敵の正体を知ることから始めないと。で、もどかしい思いをlogに刻んで積み上げていかないと。以下、黒星病だけに黒っぽい(文字だらけってこと)です。

【黒星病について覚え書き】(第一回校正済20090627)
〈黒星病の病原菌〉
完全世代:Diplocarpon rosae Wolf
不完全世代:Marssonina rosae (Trail) Sawada

糸状菌の一種で、子嚢菌類に属し、子嚢、子嚢胞子、分生子層、分生子などを生じる。日本では子嚢や子嚢胞子についての詳しい記録はない。
子嚢菌についての詳細はココを参照。

まー、やったら分かりにくい。要するにカビみたいなもんと考えることにしとこ。
完全世代ってのは、有性生殖で菌が増えていくこと。不完全世代ってのは、無性生殖で菌が増殖すること(せんでもええよ!)。分生子ってのは糸状になっている一つの菌がちぎれて分かれて二つになること。とりあえず考えなあかん敵の正体は分生子(胞子)ってことやね

〈発生から伝染まで〉
黒褐色の不規則なギザギザで縁取られた病班が成熟すると黒点状の「分生子層」が発生する。やがて病班の周囲は黄変して落葉しやすくなり、小葉が次々に落下し、ついには葉柄基部から葉が落ちる。葉の裏面にも同様の病班が認められるが、表面より少ない。分生子(胞子のこと)は多湿時に病班上で白色の粘塊状となり、雨滴とともに飛び散り、あるいは昆虫の体に付着して伝染する。外国での報告では、子嚢胞子は被害落葉の病班上で時に認められる。空気伝染するが事例が少なく伝染源としての重要性は低い。

要するに黒っぽいギザギザの点や丸の箇所(これを病班という)に、「分生子層」がまずは作られて、
次に、この分生子層(そこには病原菌である胞子がたくさん入っている)の表面膜が弾けるか破れるかして胞子を葉の外部に出してしまうわけだ。
飛び出してきた胞子は水滴や虫の体にくっついて病班部分からあちこちに飛散し、菌が伝染するということか。
けど空気感染はしないってことね。 白い粘塊状ってどんなんやろ?注意して見たことないな。第一人間の目に見えるものなんかい?難解じゃ。

〈越冬の仕方〉
菌は被害葉(暖地)や被害茎の病班上や落葉の病班上で、菌糸、分生子、ときに子嚢胞子で越冬する。春になり、若枝が伸長してくると越冬菌の分生胞子が雨滴伝染し或いは子嚢胞子が空気伝染する。発病株の枝や若枝の病班上には新しい分生子が形成されて伝染する。盛夏の高温期には伝染が一時的に抑制される。秋口に再発。暖地や温室内では病原菌は病葉や病茎の病班上で一年中生存している。飛び散った分生子は土壌中や植物上あるいは農具などの器物上で一ヶ月以上にわたって生存することは出来ない。

→分生子が越冬する場所は、病気にかかったバラの枝や葉の上。土の上に飛び散ったり、オベリスクやトレリス、支柱などにも菌がくっついても、寒い時期の菌寿命は約1ヶ月ってことね。注目すべきは「土壌中で一ヶ月以上生存しない」か。ここを狙い撃ちすべ!

〈感染条件などややこしいので以下のように整理〉
分生子(胞子のこと)は、 順番として
発芽して(適温は18℃:発芽するには水分のある葉で9時間以上必要)
  ↓
感染して(適温は19-21℃:葉に感染するには7時間以上濡れた状態が必要)
  ↓
進展する(適温は24℃)

ありゃ~~!ここ何日かの関東地方の状況やないかー。 もっと外気温が低い地域だと状況も違うんで内科医?

1:分生子(胞子)の発芽には水分にちゃぷちゃぷ浸かる時間が最低5分間は必要だとか。んなもん、つきっきりで水滴払う以外にどないせっちゅーの!んでも 湿り気のある葉の状態を出来るだけ少なくするってことが「分生子(胞子)」の発芽を抑えることにはなるね(降雨の場合を除く)。

2:分生子(胞子)が発芽しても、それが葉に感染するには7時間以上の「濡れ」時間が必要となるってことは、やね、マンションのベランダや軒下のように葉が濡れにくい環境だと黒星病が発生しにくいってことね。ふむふむ。

---to be continued---
#以下長くなるので別投稿にいたしました(黒星病との闘い3へ続く)

参考文献:上記長井農学博士の書籍等

2009-06-25

失敗しない新苗の育て方

バラの家HPマダム中島と一緒に「新苗を育てよう」

そうです、かのロザリアン中島ことMme. Nakajimaなんです。
は?
誰それって。。。あ~た、ご存じないっすか?
某てんちょのブログで有名な「ひろぽんのバラ!バラな日々」って言う「お笑系人」の隠れ相方(あいかた)ですやん。ご存じない方はココをみてちょ。

このマダムがなかなかの強者で、いろんなことをわてらに教えてくれるんですわ。身を粉にして。
早速私も最近お迎えした新苗さん達をマダムの手ほどきに従って鉢増ししたり、蕾をピンチしたりしてますねん。

いや、どーしても花が見たい!って場合は、チラっと開くまで「むぎゅむむむ!」って我慢したりもしますけどね。そりゃ、バラですもん、蕾のまんま切って花瓶で咲かすことも出来ますけど、やっぱ、茎と繋がってこそってぇのもありますからね^^
ホンマは新苗の体力を奪っちゃうから、よくないんでしょーけど。
そんなときは、バラに聞くんです。




 「まだええかな?あかんかな?」




たいがいは、健気に表情で答えてくれます。
たまにわからんときもあります。ちょっと気難しいのか、シャイなのか、表情が読み取れんのです。
それでもいいんです。
てんちょんちである程度育てて貰ってやってきた子なので素直な子が多いです。
これから私が育てていくんですから、育てているうちに分かるようになってくるはず。
私にしか分からん表情を見せてくれるはずです。
ゆっくりしっかりじっくり成長していってなー。






バトラ(夫)がふぁいんぴくすちゅーコンデジを懸賞で貰って嬉しがって撮ってた写真ですねん。めっちゃ電池食います。おまけに有効画素数がどんだけて言うてたかな、わてのCap1やんの1/3もなかったんちゃうかな?ほんでもなかなかええ描写でっしゃろ?花はダリアですわ。あ、バトラに前もって言ってないわ、画像UPするって...。睨まれそうやわ。「ダリアー、こんなん載せたんは!」って...書くとおもったでしょ^^;

2009-06-24

うどんこ病きれいに治癒しましたー

4月はじめうどんこ病(ココをクリック)にかかってしまった『カラーブレイク』(別名:ブラウンベルベット)
その後順調な生育と開花で素晴らしい景観を作り出してくれ、今春の「楽趣味撮影新人賞」を受賞した^^

画像の左隅にセスキで処置した痕が残っている葉が写っているが、波打ち、傷んでいるのが見て取れる。


楽天ショップ「バラの家」『カラー ブレイク【ブラウンベルベット】』(Sh茶色)国産苗新苗




二番花の蕾が出そうだったつい最近、再び新葉にうどんこ病初期の波打つような症状が見られたので、今度は以前と若干異なる処置を施した(ココ)。

前回ほど ひどくなかったから、すっかりうどんこ病の事を忘れておりました。ごめんなさい>ブラベちゃま♪
なにげなく(ホントはたまたま)様子を見に行くと、ありゃ!一つだけ開花してる!葉っぱは?と見ると、な、な、なんと素晴らしい葉の状態ではないか!




若干波打った部分は見えたけど、それにしてもこんなにきれいになるとは。
あの時行ったのは、
1)水洗い
2)セスキ2000倍希釈液でひどいカビの部分を拭き取り
3)翌日アグリチンキ500倍液をシリンジ
だったっす。
「アグリチンキ」さまさま!
アグリチンキ36 200ml 

今後うどんこ病発生したらこのやり方でじゃんじゃんいきましょ!

あ、もちろん、週二回のニーム撒布は欠かしていません(雨の日を除く)

新しくやってきた苗で、我が家の環境に順調に適応しつつある兆候と見て大いに喜ぶ楽趣味でありました。めでたしめでたし。

 ♪

2009-06-22

黒星病Black spotとの闘い1 -緒言-

ロサウィルスrosavirus laksminae#
・・・それは、バラの魅力に取り憑かれ、日夜バラのことが頭から離れないようになり、すべてをバラに捧げても「我が人生に悔いなし」とまで人間に言わしめる病の病原菌のことである。

#なお、楽趣味が勝手に命名したもので、学術用語でも何でもありま千円。一応学術用語っぽくラテン語で表記してみまちたが^^;『ロサウィルス』は、記録のたどれる限り2009年6月3日「バラの家のバラ好き交流掲示板」にて『Re:重ね重ねお詫びを・・2009/06/03 07:10:00 楽趣味』書き込み初出。この時の書き込みではラテン語読みを知らず「ロザウィルス」となっている。が同日に『ロサウィルス』と自ら訂正している^^


このロサウィルスに冒された人なら毎年バラの蕾が膨らむ頃から秋花が終わる頃まで悩まされるのが黒星病。春口のウドンコ病(ウドンコの初期対策についてはココをクリック)と並んで、バラの二大病と言っても過言ではない。 この二つの病気さえ発生しなかったら、どんなに楽趣味だろう^^と毎年思う。

ともに糸状菌がもたらす病気。

出来る限り石油系化学合成の薬剤を使わないでバラをはじめ庭の植物を育てていきたいので、これまでにあれやこれや試みてきた。我が家の庭(といってもホントに「猫の額」ほどの広さしかない)にバラが多くなったのはここ6-7年のこと。バラに病気が発生したとき、お酢やら、唐辛子アルコール漬け液やら、重曹やら、最近では洗濯掃除に使うセスキ炭酸ナトリウムまで登場させて、と園芸の素人である私が行ってきたことは、まぁ、いろいろありますねん。

確かにずぶの素人だけど、「根拠がない」ことはしたくない!って頭が働く。
それなりに事前に調べたり、自分なりの根拠を探し求めたり。



黒星病とは何か!闘うには敵を知らねばならぬ。
どうすれば病害を減らせるのか?
今後、気まぐれにシリーズ化していこうと思い立ったクララが立ったっつーわけ。

黒星ブラックスポットが発生したバラの葉(ココをクリック)をよく見ると、黒っぽいシミの周りがギザギザになっているのが分かる。これがブラックスポットの症状の特徴。似たようなバラの病気に「斑点病Leaf spots」というのがあるが、斑点病の場合は、黒星よりも病班が小さく、ほぼ円形で、内部が灰褐色または淡褐色なので区別はつけやすいかな。

黒星病が発生する時期はバラに蕾が出来る頃から秋花が終わる頃まで。って殆ど一年中って考えて良いわけね。多発するのは長雨が続いた後の梅雨明け期。梅雨明け頃には枝の上方の葉っぱを数枚残して、殆ど丸裸状態になってしまうと、夏の間に株が衰弱して上等な秋花(四季咲きや返り咲きのバラの場合)が見られなくなる。

ここでポイントになるのは、「夏の間に株が衰弱する」ってことかも。
黒星病の病原菌は夏の暑い時期にその活動を一時休止するらしい。
ってことは、梅雨が明けた頃の病株に対して、衰弱しない手段を講じ、黒星の一時ネンネしてる病原菌を弱体化させる絶好の「ちゃ~~んす」なのかも。

もす!これからちょっくら調べないと。

画像は今年で4年目の『チャーリーブラウン』(Min)〔河合伸志, 1996 〕。毎年ウドンコ病→黒星病の連続ヒットに悩まされていたが、今年は両方とも皆無で元気。その元気の秘密は・・・(未来記事)


楽天ショップ「バラの家」『チャーリーブラウン』(Min茶色)国産苗新苗
 ♪
 

2009-06-19

がん腫にかかったけど、慌てない の巻

どうもおかしい。。。
シュラブなのに、枝の伸びが余り見られないし、何より花が小さくて、ちょぽっとしかつかなかった。
仕方ないから、てんちょんちの写真でもみて我慢しないと(^^;

楽天ショップ「バラの家」『ウーメロ』(Sh橙)国産苗新苗

★店長おすすめ店長セレクション バラ向き6号深鉢 (新苗&ミニバラ&草花用)


昨年11月、てんちょんちから新苗で6号栽培鉢に植えられてやって来たから、冬に8号スリットへ鉢増ししておいた。耐寒性も高い(はず)なので、若干条件の厳しい所に設置したのがいけなかったのかなぁ?などと呑気に鉢の土をホジホジしていたら、ありゃ?このクルミのような固まりは!

 “がん腫じゃあ~りませんかぁ。やぁ、こんにちは!”

てなこと云うてないで、どぎゃんかせなあかんやろ?
土表近くに出来ているけど、なにぬ根にも出来てるのかなぁ?
今の時期ポットひっくり返していじるのは嫌だなぁ。
とりあえず、表面に見える瘤(こぶ)だけでも切除して要観察だわ。

ま、慌てず、騒がず、がん腫オペ用のナイフ(昨年冬以来のご登場)を取り出し、瘤をスパッと!切り落としたらそそくさとゴミ袋へ。その後切除面を観察して、色の変わった部位を削り落とし、最後に、

じゃじゃ~~ん!
★店長おすすめ日射量不足補完に植物活力剤バイネキトン500ml

はいはいはいはい!久しぶりぶりのご登場ね。ん?日照量不足補完にも使える?それなら、せっかくだから使わなくちゃね。
まずは、ボトルをよくシェイクして。原液を切除したところに塗り塗りして、灌水代わりに希釈液をシャア~♪
オペ後にメスを消毒して、用具箱へ。

このやり方で、がん腫克服した子もいるから。↓


楽天ショップ「バラの家」『アブラハムダービー』(高ER橙)国産苗大苗6号鉢植品

あとは回復をまつか、この冬再発してないかどうかの確認(再発してたら再手術よ!腕が鳴るわ!)することでがん腫には立ち向かっていくしかない。
がん腫菌はどこにでも存在するから、発生する原因はいろいろあるけど、それはまた後で整理することに。