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2009-09-17

Masala Life -4-

画像はAgra Fortにあるシャージャハン帝幽閉の間から見たTaj Mahal
中程に蛇行して流れるのがヤムナー川Yamna R.
周辺に重工業地帯を抱えるアーグラAgra周辺の大気汚染と
ヤムナー川の水質汚染は深刻さを増している。


*****

インドにも生協の個配ってあるんだろうか? って、ふと思った。
あるとしても、色んな理由で利用する人は限られるだろうけど。



インドのミドルクラスって単語があちこちで飛び交った時期があった。日本では「中流層」とか言う言葉で紹介されたりしたけど、インドの中流って日本の所謂「中流」とはワケが違うからなぁ...国の総人口も桁が違うし。

国土・自然・人材・潜在能力・・・
何かにつけ雄大さを見せつけるインド。
インド国章National Emblem、
モデルとなったのはアショーカ王の獅子柱頭。
そのアバクス(冠板)部分に刻まれた銘文は
Devanagariでこう刻まれている。

"Satyam eva jayate"
サッティヤメーヴァジャヤテ
「真理は自ずと勝利する」



独立後の初代首相ジャワハルラールネルーJawaharlal Nehru〈1st nameのjawaharlalの意味は「ルビー」:お洒落~♪〉の周りには極めて優秀なブレインが揃っていたに違いない。もちろんネルー自身も極めて秀逸な人物である。目先の事に捕らわれず、何十年後、何世紀後を見据えていたのではないかと思わずにいられないインド共和国の戦後の歩み。今や頭脳立国として世界に名だたる逸材を数多輩出しているインド。頭脳立国としての地位を確立していこうという思惑はどうやら独立前から練られていたようだ。それも悠久の昔から連綿と続いてきたインドの深遠な思想に基づいているもののように思われる。でなければ「真理は自ずと勝利する」なんて深く重い言の葉を一朝一夕に標榜できるわけがない。国章に刻む程の歴史の重み。

インド国歌は"Jana Gana Mana"ジャナガナマナ「汝は全ての民の心を統べる者」(一般には「インドの朝」と訳されたりするけど^^;)。私たち日本人は普段余りお耳にかからない曲。サッカー日本代表がインド代表と対戦する時ぐらいしか耳にしないかも^^;

インドには「ジャナガナマナ」の他に第二の国歌(1950年に国民歌とされた)と言われる歌がある。
その歌の名は、"Vande Mataram"
ヴァンデーマータラム(I bow to thee, Mother)

19世紀後半インド独立運動の波が高まる中、ベンガル人のBankimchandra Chattopadhyayがイギリス国歌斉唱強要に抗して書いた"Anandamatha"という書物の最初の一行である。イスラーム教徒からHinduの宗教色が強すぎると嫌悪されていた歌を、Bollywood映画音楽のヒットメーカーでオスカー受賞映画"Slumdog Millionaire"のサウンドコンポーザーとしても有名なA. R. Rahmanが編曲しインド独立50周年記念行事で演奏して喝采を浴びたのがこの曲↓

Vande Mataram - Maa Tujhe Salaam (A.R.Rahman)

音楽も素晴らしいけれど、インド各地のロケーションや民族・文化の多様性を収めた映像も素晴らしいです。途中Ayurvedaの故郷とも言われるケーララ地方の民俗化粧舞踏カタカリKathakaliの踊り手が見えたりします(2:07辺り)。Maa Tujhe SalaamとはVande Mataramをウルドゥー語?ペルシャ語?にしたものなのかな?

***

インドってすごい国だなぁと思ったのが「資源リサイクル」の概念を多くのインド人が自然と身につけ日常生活の中で活かしていること。物資源を徹底的に使いこなすという通念が広い亜大陸に流れ浸透していること。

北はラダックから南はカンニャークマーリにいたるインド諸地域旅行の中で、些細なことかも知れないけれど、どこの町でも出くわした事。
それは、辿り着いた町の果物屋さんで果物を買うと、必ずと言って良い程古新聞や古雑誌、時には算数の計算式が書いてある古ノートやらで手作りされた紙袋に入れてくれる。ポリ袋に入れて!って言わないとポリ袋に入れてくれないお店が多いし「プラスティックバッグナヒー(ポリ袋ないよ)」って言われることも。ポリ袋はコストがかかるし勿体ないから。ことは果物屋さんだけじゃなく、路上のスナック屋さんや野菜売りでも同じ。

今でこそミルクは紙パックの物を高いお金を出してスーパーマーケットで買うことは出来るけど、いまだに厚手のポリ袋入りの搾りたて生乳をミルク屋で買うのが庶民の日常生活の一端かと。
楽趣味もミルク屋さんの大きな冷蔵庫から取り出された袋入りの生乳を買って持ち帰り、鍋に空けて煮沸消毒し(たまにガスコンロの火を消し忘れクリームを作ったりしたことも)、蓋をして冷まして冷蔵庫へ入れる、ミルクの袋は中を洗って乾かし数が貯まったら「ミルクパック回収屋」さんにグラムいくらで買い取って貰うってことをやっておりました。

牛乳パック回収の仕事、お香の内職(もの凄い本数のお香を作成して始めて数ルピーって単位の賃金ですわ)があるように、古紙で買い物袋を作る内職が存在するんじゃないかと思った。
〈古紙袋はその後どうなるか?再度紙資源として集められリサイクルルートに載るのです。それで「仕事」がまた一つ増えるというワークシェアリング〉


【閑話休題】
てんちょんちの「ローズスペシャル」が入っている袋も上等な材質の物だよね。空き袋はさんざん使い倒してますよ。
・古土入れ
・古土乾燥
・タージ大佐+バンブーパウダーmix用
・ゴミ袋
んでも未だボロボロにならないから、勿体ないなぁ、生協みたいに回収ルートあったらええのにと思うことしきり。ま、そんな再生ルートを作る方がよっぽどコストがかかるのだろうけど・・。

薔薇の名前:『スパニッシュビューティ』〔P. Dot, 1927〕
スパニッシュビューティ(Cl桃色)国産苗新苗6号鉢植品

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嘗てアメリカの文化人類学者が、広大なインドの隅々にまで浸透しているヒンドゥー文化を称してグレイトトラディションGreat Tradition(「大伝統」と訳されてはいるが・・・)と呼んだが、インド各地を訪れた時に感じた「形にならないが頑として存在する共通意識のようなもの」がインドの「大伝統」として連綿と時代を辿り流れているのかも知れないなぁ・・・と思い起こした2009年9月16日。


"Satyam eva jayate"
サッティヤメーヴァジャヤテ
「真理は自ずと勝利する」


「真理」を「友愛」に置換して黙読してみたけれど・・・
なんだかしっくり・・・来るわけないか・・・
・・・ジャパンは何をめざしてどこへ向かうのでしょうか・・・

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