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2010-06-26

study room-水ポテンシャル-


ぢつに単純な性格であると自分で思う。
ほんの一寸でもバラに元気がないとドドーンと落ち込み、ほんの一寸でもバラが元気回復するとめっちゃハイテンションになる。
ある意味「幸せもん」のアホですな。

一昨夕比較的過ごしやすかったので、二番花の観賞そっちのけで挿し木置き場の整理をしていた。挿す時に発根促進剤も使用せず(無いから^^)挿すのもそこら辺にある空き鉢(土も殆ど替えない)だったりする「でらええ加減」な挿し木をやってたんでさぁ。当然挿し穂の何本かは活着せず、挿し穂が枯れてしまってた。そんな中で鉢の上から見た感じでは「ダメかも?」と思ったとある茶バラの挿し穂が発根していた(これは赤玉土に挿してました)ので大喜び♪先日念のため揃えておいた4号ポットにそっと植え付けました土佐。


春先からの不順な天候のせいなのか、それとも管理が悪かったのか、或いは複合的な要因なのか、ここ1ヶ月の間に2つのバラ苗が重篤状態に陥っている。一つはたっくん2号、もう一つはブリーズ。2つとも基幹部から上位方向へ枝に腐れが入ってしまった。枝の先端からの腐れなら切り戻して回復を待つ事も難しくないけど、株元から枝先へと走る(しかも枝の半分に)腐れはどうしようもない?

本ブログUseful Links内のNIFS花き研究所の「花き類病害の診断・防除」に記載してある枝枯病(エダガレパビョウ)によく似た症状と見たので、先日記事にしたように2つとも拳骨剪定を挙行した。共に株元まで腐敗が進行していた。時間の経過と共に切断面は少し灰色がかった茶色に変色してきている。細い白根が多く残っていたブリーズはまだしも、たっくん2号は根を少しいらった事もあって難しい状況かもしれない。んが、どっちも「絶対に徹底的にキッパリダメ!」って時までは諦めないでお葬式はしないよ~ん。

んでもって、2品種がどんな状況だったかをちと振り返ってみた。共に軒外に配置。ブリーズは届いた6号ポットのまま南の日当たり良い所、たっくん2号は8号深鉢に「カポコン♪」と鉢増し西テラスで日当たりは中くらい(隣家のでっかい木が午後陰を落とすので今の時期実質日照時間は午前中1時間と午後2時間位)。水遣りは当然天から貰い水。晴天が続いてカラカラに乾いた場合に午前中水道水をたっぷり。無肥だった。

振り返るまでもないなぁ(^^;
同時期に届いた他の苗とそう大した違いはなく、以前からある苗でもっと条件の悪い場所のバラは今のところ問題ないのだもの。春に雨が続いた時も軒下組が場所を占拠していたので、当該品種2つを軒下に取り込む事はしなかったけど、それはペッシュボンボンとて同じ事。何かちょっとした事が原因で当該株がもっていた水処理能力(?)等が上手く機能しなかったのかもしれない。



いつだったか、をたてんちで水の遣りすぎに注意!って発信があった時(当該記事はココ)も「ふむふむ!なるほどな~!」と大きく頷いて読んだ。
そして、直ぐ忘れた。(^^;
忘れないように、もいちど。重要だと思われる所を抜粋!
葉の間隔が広いということは、木がしまって育っていないという事!
今の時期でその条件を生じるのは、半日陰などで日射量不足か、もしくは水あげが多いか、のどちらか?
そして生長点は大丈夫だけど、出始めた時の葉が枯れ始めたのは、根が木の蒸散に対して水分の補給が出来ないという事。。。
それらを考えると、おそらく「地植えなのに水あげをしていた!」という事でしょうか?それも定期的に。
生長点近くの葉のちじれや枯れに、悪天候で日射量不足、根圏の空気が足りず根が傷み、木の水分の補給が間に合わない症状が感じ取れます^^水が根のまわりにあっても水を吸い上げられないんです。
おそらく昨年末までは、あげていても温度が高かったので、症状が現れづらかったと思いますが、この春はおかしいくらいの低温悪天候。。。同じようにあげていたら根が健全に生育できません。

要するに根の持つ水を吸い上げる力と葉っぱの蒸散力との間に動的平衡が上手く取れていないといけないってことね。今度は出来るだけ忘れないようにしようっと(無理無理)。



何度もここで書いてきた「水遣り3年」って事、自分の場合3年なんて短い期間じゃ身に付かないのでは?と思ってしまう。バラは今のところ全て鉢植え管理だし、他の植物も鉢植えが殆ど。
地植にしてるのを数えた方が早いか(^^)
・皇帝ダリア(とうとう2株になってしまったwどうすべ)
・芍薬を6株ほど(他に鉢植え芍薬が4つほど)
・アジサイ「アナベル」
・野菜ちょぽっと
・狐の手袋とかタチアオイとかメヒコサルヴィアとか
流石にカラカラに乾いた日が続くと地植の植物(特に皇帝ダリア)も萎びてくるから真夏の晴天続きには水まきをするけど、土壌の水保持力に殆どと言って良いほど任せっきりで水管理って無いに等しい。

昨年の今頃、新苗のディスタントドラムスが黒星病に罹った。体力が未だ十分に付いていないだろうからと軒下に一時避難させた。すると、モリモリと新芽を出してきて「お!復活か?!」と一時喜んだ。暫く晴天が続いたので午前中日の当たる所へ移動させた。秋までは順調だった。あの皇帝ダリアをも折り倒した台風18号が上陸するまでは。もちろん台風が来るぞ~!という注意報を聞いて出来るだけ軒のある所へ新苗のバラ鉢は移動させた。ディスタントドラムス鉢の移動を失念してしまっていた。気づいたのは台風一過後。
台風は雨台風ではなく風台風だったけれど、台風前に続いた秋の長雨で鉢内はじゅくじゅくの飽和状態だったのだろう。そこへ台風という決定的なダメージがやって来たのでは?と述懐する。結局薬局介抱の甲斐無くディスタントドラムスは枯死した(看取ったのは今年の春)。

で、今回2株の腐れを目の当たりにして「水」という植物にとっての物理的環境要素について基礎的な事を調べてみようと思い立った。以降覚え書きとして少しずつ整理していく予定(よく理解できていない事、不明な点には(?)を付す)。今回は楽趣味にとっての新出単語「水ポテンシャル」の巻。



●生命と水
生命は水中で進化し水は生命の基本的な溶媒として不可欠な物質である。水に満たされた生命の活動は活発旺盛に行われる。乾燥した状態になると生命活動は休止するが、それは必ずしも生命の死を意味するものではない。
※1:人間の体の9割近くが水。植物にとっても(部位によって比率は異なるが)水は主要構成物質。植物体の中で最も水分量の少ないのは何かご存じ?
※2:生命ってことは微生物も含むでしょ?水は、バラの黒星病菌やうどんこ病菌など主だった糸状菌の活動をも活発化させる溶媒なわけだ。

●水と温度
水は太陽放射を吸収しやすいが熱容量heat capacityが大きいので熱エネルギーを得ても温度の上昇が少ない。水温が低下するにつれ水の密度が大きくなり、最大になるのは摂氏4度。水深が深いほど水が冷たくなるということ。0度の液状水と固体の水(氷)ではどちらが密度が大きいか?答えは0度の水である。だから(?)氷は水に浮かぶ。だから(?)凍結は上から下へ向かう。

●媒質(物理化学的反応が起きる場)としての水
水の分子は、105度角度のHOHを持ち、Hは電気的陽性、Oは電気的陰性。Na+、K+といった陽イオンは電気的陰性のOに引きつけられて水和する。水は生物にとって普遍的な溶媒であり生体内の代謝反応を進行させる必要条件である。

●土壌と水
陸上植物は土壌から水を得て大気中に水分を蒸散する。土壌を水の貯蔵庫として雨や雪解け水が蓄えられる。土壌孔の大きさによって水分の保持量が異なる。砂地は孔隙が大きく、粘土は孔隙が小さい。土壌に入った水が重力に逆らって土壌孔隙に保持されることを毛管現象といい、そのような水分を毛管水capillary water、土壌の水分保持(土壌の水ポテンシャル)量を野外容水量(圃場容水量)field capacityという。野外容水量とは「土壌が保持し植物生育のために使用可能な水量の上限であり、その下限は植物が根を通して土壌からどんだけ吸水できるかによって決まる(=植物がしおれて回復できない土壌水分含量:これを「永久しおれ点permanent wilting point」という)。

●根の水吸収
土壌中の水を根が取り込むのは(1)土壌の水が根の近くに移動する、(2)根が土壌水分のある方へ伸びるという2つの場合がある。
水分を取り込んだ根の周りに水分が無くなると毛管水capillary waterの毛管力〔表面張力(?)〕によって土壌の水ポテンシャルに勾配が生じ、勾配に沿って水のない所へ水が流れ根の周りに水分を供給する。
孔隙が大きい砂と孔隙が小さい粘土とでは毛管力の強弱に違いがあり、孔隙の大きな砂の方から水が取り込まれやすい(毛管力が弱い)。
水ポテンシャルは植物の水分保持力を示すが、根の水ポテンシャルが周囲土壌の水ポテンシャルより低い時にのみ根は土壌の水を吸収することができる。
維管束植物体内の水や養分の流れについては、
本ブログ記事
・study room-維管束-
・study room-陰圧と陽圧-
で概観してきたとおりである。

●根の生長と水
根の総表面積が広いほど水の吸収は大きくなる。植物根は概ね側根を作る前に伸張し、分枝は放射状に広がる。これは土壌を有効利用するためであると同時に、水分欠乏域にのみ分枝根が入り込まないようにするためでもある。発育初期に酸素が不足している水浸しの土壌環境にある根の場合、根の生長が妨げられるので根系は浅くなりがちである。そのような根は土壌の深くまで根を張りにくいため、土壌水分が不足すると干からびやすくなる・・・(?)

●光合成と気孔と蒸散
水は植物の光合成に必要な物質である。また、光合成には大気中の二酸化炭素をも必要とする。植物は二酸化炭素を気孔から吸収する。そのため気孔を開く。この時蒸散により植物体内の水分が大量に消費される。日照不足などにより光合成能力が低下したり低温により植物の蒸散が低下すると植物の水消費が減速し根の水分吸収も減少する。植物の水消費には他に湿度、風、太陽放射も関係してくる。


以上、ワケワカメになりながらまとめてみました。
誤謬・用語の使い方等に間違いを自分で発見した時には修正致します。
ご指摘等頂ければ大変有り難く存じます。


《主な参考サイト》
・SUNTORY「水大事典」
・東海大学「根の研究」
・福岡教育大学「植物形態学」
・三重県農業技術情報システム「土壌中の水」
・島根県農業技術センター「土壌改良資材」







2 件のコメント:

  1. 今年の水やりは難しく感じます。
    ホントに鉢の中がなかなか乾かない。
    先日鉢の中は乾いていないのに、シナっとしてしまった子があって、その時やはりてんちょさんの同じ記事を思い出しました。
    IBのチカラも例年どおりに使っていますが、葉っぱが露骨に栄養不足な感じの子もあるし、根からの吸収が旨く行っていないのかなと感じますね。

    ヒリンドンさんも刈りこみました。
    ただ、ウチの場合は上からの枯れ込みだったので何とかなるかも。枯れた部分はスカスカだったけど、何とか冬剪定直後くらいの所でおさまりました。

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  2. みけさん こんばんは~♪

    確かに・・・水遣り今年はかなり注意しないと、ですね。
    表面だけ見たら分からないですし、開花中は水を欲しがるバラもあったりして(楽んちのジョゼフ大公がその筆頭)。
    葉っぱの栄養不足とは?クロロシスじゃなくて、他の症状ですか?
    鉢植えの植物にとって水の動的平衡を保つ事って、生命線に繋がるかも新米とも今年(も)思いました。あ、今年は特に思いました。(^^;

    ヒリンドンは立ち枯れっぽかったのですかね?
    何にしても復活を祈っております。
    頑張れ!>ヒリンドン

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