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2010-08-04

something different?

初っぱなから引用です。
今、シュートを倒してしまうと頂芽優勢がくずれて脇芽が出てしまいます
これは、某BBSに投稿されていたコメントの一文です。
ここにある「今」というのは、夏の暑い時期と読み替えてます。

あ・・・最初に断っておきますけど、
これを書かれた参加者の見解を批評するつもりは全くないです。
理屈っぽい議論をするつもりなど毛頭ありません。悪しからず。
念のため、そのことは予めきちんと前置きしておきます。

というか、再認識するきっかけになった一文が投稿されて
とっても有り難いなと思っております。

ほら、楽趣味ってば、鶏頭のくせに好奇心旺盛で、
ちょっと引っ掛かりがあったりすると、
「AはB、BはC、だから、AはC」
って具合に自分が納豆食ぅまで突き詰めたくなってしまうという
どうしようもない性格ですから、ついつい、考えてしまったのです。

問い:「(バラの)シュートを倒すと頂芽優勢がくずれるのか?」

この問いに対する楽趣味の考えを先に述べておきます。
楽趣味の答えは「否」です。
もちろん、自分の答えが正しいかどうかは分かりませんし、
完璧に間違っているのかも知れません(正直それも分からない)。
以下、「否」という答えを出すに至った自らの筋道を追ってみます。



先月だったっけ哉?
頂芽優勢apical dominance
頂芽優勢と植物ホルモンについて投稿したのは。

誤解を恐れずに、も一度書きますね。
頂芽優勢apical dominanceとは何か?それは「頂芽(一番上の芽)があれば腋芽(わき芽)が動かない事」である。

ここで整理した(つもり)のは以下の二点。
・頂芽(=ボス)が欠損しなければ腋芽/脇芽(=若様)は頂芽になり得ないってこと。
・現在の頂芽に何かが起きて(例:花が咲いた、虫に食われた、人間に折り取られた等)無くなってはじめて、植物体内に存在する植物ホルモン(オーキシンとサイトカイニン等)が働き合い、無くなった頂芽に最も近いところの腋芽が次世代の頂芽になるということ。
ということは・・・ボスの存在がある限り若様はボスにはなれない。

◎バラは落葉性の植物。
お日様が高く昇る夏には盛んに光合成を進め、秋になって(北半球で)気温が下がり始め日が長くなってくると、夏までに光合成で蓄えて根元に送っておいた栄養分に加え、葉っぱに残っている栄養素を出来るだけ回収して紅黄葉し(しない品種もある)、その後落葉する。*この件については後日別記事を書く予定*
ということは、夏の間はバラにとって最生長伸長の季節。光合成で作られた栄養を生長点へ(上へ)と送り出す季節。秋になったら、それまで自ら作った栄養分を出来るだけ無駄を出さないように株元(下へ)送り込む。

◎バラは好日性の植物。
つる性のバラに代表されるように夏の間はお日様を求めてひたすら高く枝先を伸ばそうとし、出来るだけ葉を広げて少しでも光合成の効率を高めようとする。もいちど書くけど、光合成で作られた栄養をバラは根元に送って蓄える。どの部分に蓄えるのかについては現時点で断言は出来ないけど、株元の皮の裏側だったり、髄だったり、クラウン部分だったり、根だったりするのではないかしら?何でかって言ったら、栄養素があるところほど腐りやすいでしょ?違うかなぁ(バラの専門家諸先輩方に教えて貰いたいところ^^)。

◎バラは休眠する植物
休眠に入る時は日照条件よりも気温がキーになっているのかな?それはいずれ別の機会に考察するとして・・・。冬の休眠期に殆どのバラは葉っぱを落として枝ばかりの素っ裸状態。葉っぱが無いから蒸散作用も僅か。株の水分も少なめ(ゆえに誘引するのに適期)。春からずっと行ってきた栄養を株元~根元に貯蔵したままひたすら次の春が来るまで眠る(ゆえに剪定や植え替えに適期)。

などと、ごく大雑把にまとめてみました。
間違った箇所が「アルアル!」場合はご指摘頂けると幸甚です。
ご指導ご弁当も^H^Hご鞭撻もお待ち申し上げております^^

で、以前Rosalind Infinitaで紹介した
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から、ちょっち引用しますね。
野生のつるバラは、周りの木にしがみついて、少しでも日光を浴びようと、頂芽優勢で上へ上へと伸びていきます。しがみつくところがなくなると、枝がぶらりと曲がります。そうすると樹勢が弱くなり、枝を伸ばすのをやめ、枝先に花を咲かせ、子孫を残す活動をします。
この性質はバラの栽培でも生かされています。つるバラのシュートが伸びてきたら、すぐに支柱を立てたり周りのものに枝先を固定したりして、先端を上へ向けてやると、枝はさらにぐんぐん伸びます。これを「つるバラの夏の枝伸ばし」といい、大きく育てたいときには欠かせない基本作業です。ほったらかしておくと、つるバラの枝は長くて細いのでぶらんと枝先が曲がり、樹勢が弱まって伸びなくなってしまいます。

・つるバラは、夏の間には出来るだけ垂直に枝を伸ばしてやる。
・寒くなったら水平誘引して栄養分を枝に万遍なく行きわたらせ腋芽と花芽の形成促進を図る。
整理すればこんな感じでしょうか?


つらつらと綴ってきたことをもとに仮にまとめると・・・

・光合成盛んな夏の時期にシュートを倒すと頂芽優勢がくずれるというのではなく、生長点が低い位置になってしまうことで、上へ伸びる性質の生長が阻害されやすく、また、栄養が株元に貯蔵されにくくなるのではないだろうか?
・併せて、生長点が高い位置にないために(作成される生長ホルモンの作用と位置関係についてはよく分からないが)、特につるバラの場合、最生長期の勢いを減じてしまうのではないだろうか?

※現に楽庭のバラで垂直に枝を伸ばしにくい細くて柔らかめのつるバラの場合、水平気味か枝垂れ気味の枝は「新陳代謝行き止まり~」みたいな感じになっていて、その脇で新しい枝が垂直方向にびゅんびゅん伸びています。

夏に倒した枝で植物ホルモンが作用する仕組みと、冬に水平誘引をすることで栄養分が枝に分散し萌芽を促すこととは別の仕組みなのではないかしら?
もう少し勉強しなくちゃ、だわ。



最後に、以前の記事でも参考にした河合伸志さんのレクチャー(ココ)から再度一部引用します。
頂芽優勢の度合いは品種によって異なり、例えば「ピンク・ダイアナ」や「アンジェラ」のような品種はこの性質が弱いため、枝を直立させたままでも、枝の下部から上部まで、比較的まんべんなく花を咲かせてくれます。
一方、「ポール・ネイロン」のような頂芽優勢の性質が強い品種は、枝を直立させたままですと、どうしても上部の3~5芽程しか伸びず、結果として枝の下部には花が無い状態になってしまいます。このような品種の場合は、枝の誘引を工夫する必要があり、通常は枝をつづら折りのように左右に曲げながら、上へと誘引していきます。
しかし、「アロハ」のような枝の硬い品種の場合は、このような複雑な誘引ができません。そこで、このような品種は上部で花を咲かせるための長く残す枝と、中間部で咲かせる枝、下部で咲かせる短い枝に分けて、長さの差を付けた剪定を行ないます。ただし「ピエール・ドゥ・ロンサール」のように、枝を短く切ると花を咲かせなくなってしまう品種もあるので、この方法は品種に注意する必要があります。



2 件のコメント:

  1. ちょっと雨が降ってほっと一息Namaste~

    うーむ、私ずっと悩んでいるのですよ。
    狭いスペースに無理やり植えてしまったアッシュウエンズデイ、上に伸ばすとハナミズキの影になってしまうので
    石垣のところに枝垂れさせて(というか、自然放置状態)
    何とかうまく咲かせられないかなあと。
    良く小輪のつるバラ(イエスタデイとかモーツアルト
    みたいな)が枝垂れて咲いているのを見て、アッシュさん
    はどうなるかなあと思っているのです。

    が、樹勢の強いアッシュさん、枝葉はわさわさ茂るの
    ですが、今年の春の花付はうら寂しくぽっつんぽっつん
    程度。やっぱり大輪系のものはちゃんと水平誘引して
    あげないといやなのかなあ。

    つるバラって意外にむずかしいですね。
    それぞれに好みや個性があるみたいで。
    ガンガン切り詰めても良く咲いてくれるもの、自然に
    茂らせておいてもOKのもの、枝が硬くて水平誘引が
    精一杯のもの、誘引が楽でらせん状に出来るものなど。

    特性も調べず狭い庭にぎっちり植えちゃうと、バラの好み通りにしてあげられなくて困ってしまいます。

    デルバールやERのつるにもなる大型種が、好きな大きさに
    カットしても良く咲いてくれるので、私には最適な
    ようです。

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  2. Jamilさん Namaste/^^

    関東は雨降らず(今夕当たり降るかも?)で相変わらずあぢぃ~~っす^^

    アッシュウェンズディ・・・またまた個性的なバラですね^^

    つるバラって難しい思います。村田晴男さんの『つるバラのすべて』を読むたびにその思いを深くします。
    デルバールのバラについては、この冬、ミサトが意外に誘引しやすい枝だったこと、4ヴァンの枝が剛直だったことを再認識致しました。ミサトに関しては切りつめてガンガン咲かせる方が性にはあっているのかなとは思います。

    所謂つるバラって言っても開花特性や樹系の特性がそれぞれ違っていて、おもしろいけど、その品種の特性を十分発揮させられていないってのが、ず~~~っと頭の隅にあって、「どないすればええんかいのぉ?」状態で何年も過ぎている感じです。まだまだまだまだ全然あきまへんわw

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