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2010-10-24

蝉の一生

昨夜遅く、楽Jr.が悲鳴にも似た声を上げた。
「お母さん!お母さん!虫がいる!!」
娘の指さす方を見やると、カーテンに1匹の蝉。寒さで弱っているのか、殆ど動かない。外に出すべきか、一晩室内に閉じこめるべきか、一瞬悩んだけれど、人工的な空間よりも生まれ育った環境で一生を終えるのが良いかしら・・・。そんな戯けたことを思って、風と冷気を凌げるようにと袋に入れてベランダへ。

袋は口を縛らず目一杯広げた中へ入れておいたのだけど、今朝見たら、殆ど動かず(動けず?)袋の端にしがみついてる。
やっぱり袋の中は息苦しかったのかな?一晩中袋の中でもそもそしていたのかな?
今年の夏はやたら暑い時が長いこと続いたかと思ったら気温が急降下したり、突如夏日がぶり返したりして、あんた達も季節を読むのに苦労したんだろうね。

土の中から出てくるのが遅くなってしまったのかしら?それで、仲間とはぐれてしまったのか?どうやって室内に入ってきたんだろう?窓を開けっ放しにしていた時に「ちょっと中の方が暖かそうだから」ってやってきたのかな?だったら、昨夜一晩宿を提供すれば良かったね。御免よ。
虫の知らせというけれど・・・・・・
誰かからの言づてだったのかしら?・・・・・・

楽趣味が洗濯物を干したり、落ち葉を拾ったり、花や葉の写真を撮ったりしてる間、暫く袋にしがみついてジッとしていた小さな蝉。秋に出てくる蝉もいるというけれど。
何年間土の中で過ごしていたのかしら。地球が何度回った時、地上に現れるのだろう?暗闇の中から光のある場所へ。初めて目にした物は何?何を感じた?最初に口にした物は?どこへ飛んでいって鳴くつもりだった?地上での決して長くはない時間の最期をどこで迎えるのだろう?

そんな戯言を頭の中でグルグル回しながら、デッキタイル下の掃除をして、バラの枯れ枝を切り、落ち葉を掃いてゴミ出しをし、届いたバラの土を一袋ずつ移動させて、鉢の並べ替えを終え、さて、暗くなってきたからそろそろ室内へ引き上げようとした時、ポツリポツリと雨が落ちてきた。
急いで道具を片づけ戸口まで来て、置きっぱなしの袋を見た。


小さな蝉は姿を消していた。


そうして、また一日が終わり、
新たな一日が始まる。

明日へ向かって。

4 件のコメント:

  1. この蝉、見たところツクツクホーシのように見えます。
    夏の終わり、蝉の中では一番遅く土の中から出てくるセミ。
    秋を知らせるセミです。
    今年はあまりにも暑い日々が続き、そろそろかなと出てきた時にはすでに冬の入り口だったのかもしれません。

    ほんのひと時でも鳴くことはできたのかしら?
    たった一匹でも仲間に出会うことはできたかしら?
    それは彼(彼女?)にしかわかりません。
    それでも彼は彼なりの命を生きているのでしょう。
    どこへ行ったのでしょうね。

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  2. こんばんは!
    虫や植物達の健気さ。

    セミは暗い土の中にずっといて
    やっと出てきたと思ったら一週間しか生きられないのよ。と
    親から教わって、
    そのたびに、クモの巣にかかったセミを助けた幼少の頃。
    でもそれも、違うかなと思い始めた最近。
    みんな、後戻りできない一生懸命の中で生きている。

    楽庭に訪れたセミさん。
    せめて、寿命まで、
    この雨をしのいで生きていてくれますように!

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  3. みけさん 夜のキッパリNamaste/^^(ナンノコッチャ?)

    ツクツクホーシですか~。やけに小さいなぁと思ってました。
    確かに夏の終わり、秋の入り口を告げる蝉ですよね。

    室内にいつ入ったのか分かりませんが、Jr.に言われるまで全く気がつかなかったので、室内では鳴いていない?(オシッコはどこかに引っかけたのかしら?^^)
    外に出してから居なくなるまでの間も鳴き声は聞けませんでした。とにかく余り動こうとしない感じでした。
    どこへ行ったのか、明日舞い戻ってくるのか?
    天敵に会わないで寿命を全うしてくれたら良いなぁと思います。

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  4. bloomさん 夜のサッパリNamaste/^^(分かる~?^^)

    長い長い土の中で大半の生涯を過ごす虫、セミ。地上のセミとなってからと土中とではどっちが過ごしやすいのかしら?なんて思いをはせてしまいました。
    土の中には土の中で、地上では地上で、色んな危険があるのでしょうけど、やはり、日の目を見るってことは一大事なのではないかな?

    飛ぶそぶりを見せなかったセミ。それほど遠くまでは行かないだろうとか思いました。なので、袋は口を開けたまま、そのままにしておきました。

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