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2010-12-14

蒼の皇子がシーターに巡り会う日

古代インド二代叙事詩と言えば、

マハーバーラタMahabharata
ラーマーヤナRamayana

いずれも大長編の物語。

ラーマーヤナの主人公はコーサラ国王子のラーマ
ラーマの妻となるのはミティラーのシーター姫

宮崎駿の映画『天空の城ラピュタ』
に登場するお下げ髪の少女シータの名と運命は
ラーマーヤナのそれと少し似ている所がある。

バラは雨粒を従える「あおい」

ラーマーヤナは、もともと口承で後代に伝承された叙事詩を
詩人ヴァールミーキが編纂し全7部にまとめたものとされる。
ヴァールミーキ編叙事詩を、気鋭の仏教学者岩本裕*1)が完訳し、
平凡社東洋文庫から岩本裕訳『ラーマーヤナ』が刊行されたが、
全7巻のうち2巻までで中断されてしまった。
日本語への翻訳は未完のままだ。


数年前、ムンバイ在住の作家
アショククマールバンカーAshok Kumar Banker
世に出したファンタジーノヴェルの原題は
“Prince of Ayodhya”
プリンスオブアヨーディヤ
(書評はココ


翻訳本タイトルは『蒼の皇子』*2)

これは上巻で、カヴァーはラーマの蒼を表徴しているとか。
下巻のカヴァーは全体に緑色で悪役ラーヴァナを表すとか。
ヴァールミーキのRamayanaを現代風に書き直したものらしい。

邦題に何や「□ん○ム」チックな色が見えて敬遠してたけど
面白そうだから読んでみようかと・・・(^^)
食わず嫌いは宜しくないでしょうからね。



ぜんっぜん関係ないけど映画タージマハルのSTで
インドのファッションショー^^


*1)岩本裕〔いわもとゆたか 1910年3月2日 - 1988年4月19日〕
著者はインドの古典語のその文献に通達した学者で、インドの説話文学に関しては世界的権威である。しかも、著者はインド古代史に深い関心と該博な知識を持つ学者としても有名で、彼の書くものはすべて広い視野と深い学殖の産物で読者を驚嘆させずにはおかない。今日わが国のインド学者で、彼ほどレパートリーの大きい学者は他にいないといってよい。彼は常にわが国の仏教学者の視野の狭さを慨嘆し、またかれらに問題意識の欠如していることを非難する。彼は相当ズケズケものをいうので、大分損をしている。その癖、彼の教え子で彼を得とする人の多いのも事実である。それと言うのも彼が嘘を言えない男だからである。彼の書くものにも嘘はない。自己の保身のために筆を曲げたりすることが絶対にないのである。その意味で、本書もまた仏教者の嘘をあばき、仏教の真実の姿を伝えるものであり、まさに著者でなくては書きえない書ということができよう。-wikipedia該当ページより引用-

*2)これはRamayana Seriesとして以下の全6巻にリライトされたものの第一巻である。
・Prince of Ayodhya (2003)〔邦題『蒼の皇子』〕
・Siege of Mithila (2003)〔同『聖都決戦』〕
・Demons of Chitrakut (2004)〔同『樹海の妖魔』〕
・Armies of Hanuman (2005)
・Bridge of Rama (2005)
・King of Ayodhya (2006)


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