元々は火山灰が風に運ばれて降り積もって出来た土壌だけど、
土中の鉄分が空気に触れて酸化し、
鉄さびとなって、赤茶色~赤褐色になるのだそうな。
楽庭の地面部分をチョイと掘ると、表土10cm深までは黒っぽいけれど、掘り進むにつれて段々と赤茶色の粘土質が現れる。それが関東ローム層らしい。水もちが良い=水はけが悪い(?)ので、雨が続くと地面は直ぐに水溜まりと化す。そのため、芝生部分の一部は、水苔状のものが段々と広がって、芝が枯れている時期も青々としている。困ったもんだ。
世界の土壌〔慶応大学:地球環境概論〕には
「成帯土壌型」といわれる土壌の種類が簡潔に示されている。
成帯土壌型とは・・・?
「気候と植物とが関係して、赤道をはさんで気候や植物と同じように帯状に分布している土」のことで、「土の母材の違いよりも、気候や植物の影響を受け、水の運動方向と、腐植やその他の物質の集積程度との違い」〔以上、引用、山根, p.11〕が顕在化しているタイプであるそうな。
とりわけ、
チェルノジョーム〈チェルノ=黒い、ジョーム=土〉って土壌は、
世界の穀倉地帯と呼ばれるウクライナ、ハンガリー、北米中央部に分布している極めて肥沃な土地。
なんでも、根を深く張る草本植生と少雨温帯気候によって多量の有機物を地面に供給し、それが土中のカルシウムと結合して「安定な腐植となって多量に集積するから、土は深層まで黒色をしている」〔以上、引用、山根, p.13〕のだそうな。
で、日本に、このチェルノジョームってのがあるか?ってぇと、
残念ながら、内覧会。
だば、日本の土壌型は何だぁ~?っていうと、
「気候や植物の影響よりも土の母材の種類、局所的な地形その他特別な条件の方が強くあらわれている土壌型」〔以上、引用、山根, p.14〕なんだそうな。
二分すれば以下のように。
1)火山灰土
2)水成土
a)泥炭土・黒泥土・・・黒色の分解された腐植生成
b)水田土・・・強グライ土、グライ土、灰褐色土で全体の半分
バラはアブラカダブラ魔法の呪文♪
チェルノジョームはないけれど、日本には、《黒ボク土》と呼ばれる腐植の多い土があるそうな〔参照サイト:URBAN KUBOTA〕。関東ローム層と同じように、火山噴出物なのに、何故黒いのか?って疑問は、この際スルーパスしちゃう。むっちゃらかしいんだもん!
で、楽趣味の
♪く~ろい土~の腐植の多さ♪ なのさ~。
なぜなら~、土の団粒化を進めるには
【腐植】が大いに関係してくるから、なのさ~。
と言うわけで、バグがたくさんあるし修正予定たこさんだけれど、
今回memoは・・・ズバリ!
【腐植】
土に黒っぽい色や暗い色を付けているのは腐植(土壌有機物)。
腐植は地力のもととなるから、堆肥をすき込みましょ~♪
でも、腐植についてはまだまだ分からないことだらけ、みたい。
むっちゃらかしすおれんぢ~だもんね~^^
●腐植の生成
植物の根圏微生物が繁殖→植物残渣分解→赤褐色腐植生成α
〈糖・でんぷん・タンパク質~セルロース等~リグニン分解〉
↓
根圏微生物の死骸(タンパク質)→腐植の材料となる
↓
αを昆虫が食べる→消化して糞を出す(粉状黒色腐植β)
図を貼り付けようとしたけれど、容量くって重いので、
ココみてね♪
●腐植の種類と性質
・繊維状腐植(モール/粗腐植)・・・上記α
針葉樹林下の粗腐植(強酸性)と、低湿地の泥炭(酸性&水分過多)
粘土と混ざり合いにくく、腐植のまま地表に堆積(「堆積腐植」)
・粉状腐植(ムル)・・・上記β
カルシウムの多い広葉樹や草原下、地中動物の活動により黒色粉状
粘土と強く結合した状態で存在
何故なら、地中動物が粘土も呑み込むため、消化液で強く結合
これを粘土腐植複合体という。
日本の火山灰土腐植9割が粘土腐植複合体として存在
泥炭が空気にさらされれば地中動物活発化→黒泥(粘土腐植複合体)
・αとβの中間のモーデル
●腐植の化学組成と性質
土
|
|←アルカリ処理
|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
不溶物 可溶物
(ヒューミン) |
|←酸を添加
|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
沈 殿 可溶物
(腐植酸) (フルボ酸)
〔図は山根, p.31より〕
・ヒューミン:不溶物の有機物で養分の保持に関係
・腐植酸:養分の保持に関与
・フルボ酸:無機物を溶解する力が強い
●腐植のはたらき
・2種の腐植・・・粘土腐植複合体と可分解性有機物
後者の代表が「堆肥」
腐植の働きについて、「地力をつける」〔播州農機販売株式会社〕というページから以下引用する。
腐植の効果
(1)窒素、加里、石灰などの塩基を吸収保持する。その能力は粘土の7倍に達する。
(2)土壌の緩衝性を増大し、重金属イオンなどの有害作用をおさえる。
(3)土壌の団粒組織を形成し、物理性を改善する。
(4)土壌の容水量を増大し、旱魃の被害を軽減する。粘土はその重量の1/2の水で飽和するが、腐植はその重量の4~6倍の水を吸収保持する。
(5)微生物の活動を旺盛にし、土壌中の有用な化学変化を促進する。また、連作傷害を和らげる。光合成に必要な炭酸ガスを供給する。
(6)養分の流失を防ぎ、根の伸長蔓延を助ける。
(7)土壌に褐色ないし黒色の色を与え、太陽熱吸収し地温を高める。
おぉっ!っと思ったのが、(7)番目。
そうか~!
伊達直人に黒っぽいだけじゃないんだなぁ~。
黒っぽい色で太陽放射の熱エネルギーを吸収して地温を上げるとは!
なまら頼もしい存在ぢゃんバラぢゃん。
恐るべし、腐植!
と思ったのが、「植物由来の有機物が、河川水中の水銀や塩素系殺虫剤の毒性を緩和する」〔富山大学理学部生物圏環境科学科〕にあるように、腐植物質が地球環境においても炭素固定化や汚染物質の無害化の一翼を担っているという点。
すっごぉ~いぞ~!> Terre Noir!
バラはパヴィヨンドゥプレニー
---memo:いつでも修正加筆中(^^;---
《関連記事とreference》
・Series HUMUS 「土は生きている」 -1-
・Series HUMUS 「粘土(鉱物)」 -2-
・土の団粒構造って?
・関東ローム層について
・日本の土壌-5 黒ボク土 <火山灰土壌>〔URBAN KUBOTA NO.13〕
・腐植物質〔独)産業技術総合研究所〕
・腐植について
・腐食物質とは〔北海道大学大学院 資源化学研究室〕
・山根一郎著『土と微生物と肥料のはたらき』
・加藤哲朗著『用土と肥料の選び方・使い方』
なるほどね、っと思わず思ってしまいますねぇ。
返信削除日本は国土のほとんどが火山帯に所属していて山が多い、狭い平野しか持たない島国なので、肥沃な土壌を形成しにくく、地理的な条件が強く出る土壌になるのでしょうね。
たとえばみけ宅庭を掘ってみると、表面はそれなりの土のように見えて、深く掘るほど砂が多くなっていきます。
遺跡の分布などを見ると、ぎりぎり海底ではなかったようですが、海際の土地だった事がありありとわかります。
それでも日本に幸いだったのは、山が多く木々も豊かだったので腐植をたくさん得る事が出来たのでしょうね。
定期的に氾濫するような大河がなくても、五穀豊穣の豊かな国になれたし、温泉はあるし、まさに自然の恵みですね。
こんにちは。
返信削除土壌の性質を知るって大事なんですね。でも掘り下げるとかなり難しいです。
北海道の場合、火山灰で覆われて下層土が酸性、燐酸が不足気味なのだそうです。
(調べ方がアバウトです)
しかもおととし長女が学校の実験で雪のpHを調べたところ酸性だったようです。
土地も酸性、雪(雨)も酸性・・・バラには良くない!
で、貝化石で土壌改良すると良いとの記事があったので、今年は地植え部分には多めに混ぜようかと考えています。
それとバットグアノも良さそう。
話は変わりますが宿根草もバラと同様に、枯れたり育ちの悪い株はポットの土と周囲の土が融合していなかったことを思い出しました。
成長しないまま枯れた株を掘り上げると周囲の土は湿っているのにポット状に残った元の土は固く乾いて根が伸びていませんでした。
単に育て方が悪いと思っていましたが、植え付けが下手だったのかも。
植えつけるとき土が崩れてしまって心配した株は、逆に良く成長したような気がします(怪しい記憶ですが)。
やっぱりポットで購入した植物は根を崩し、根が回復するまでは日光を当てすぎない、でいこうかと思っています。
みけさん お水遊びが止まらない~2匹なNamaste/^^
返信削除そうそう、そういえば、地理の時間に習いましたね~。日本の国土は平野部に肥沃な土壌が形成されにくいってなことを。その中で、濃尾平野は比較的肥えた土壌を形成しているらしい、みたいなことも..。
砂質気味のみけさんちお庭に、ハマナスを植えたら、どんな生育を見せるでしょうかね(^^;
関東ローム層と一口に言うけれど、地域によっては、どの活火山から噴出したものかによって質が異なるらしいです。
楽庭のは武蔵野台地だから、富士山から?
memさん 南風が吹いたと思ったら、速攻雨~のNamaste/^^
返信削除多雨な地域で、酸性土壌に傾く傾向があるってどこかで読んだ記憶があるような・・・うろ覚え。
最近は余り酸性雨の話題がマスコミなどで取りあげられませんが、決して減少傾向にあるとは言えないのではないかと思ってます。バラには宜しくないですね・・・
宿根草の根鉢に関しては、同じ事をツラツラ思ってました。
同じ種類のポット苗を少し崩して植え付けたのと、そうでないのとでは活着後の生育に大きな差が出ます。
全ての用土を落とさなくても、ある程度崩さないと周囲に足した土との融合は難しいみたいです。根も張りにくいし。
村田晴夫さんが、どこかで(シッカリ忘れました)、植え付けの際に土をある程度崩すのは園芸の基本、みたいなことを書いてらっさったとウロ覚えしてます。
崩して枯らしたというより、崩さずに枯らしたってほうが、現実的な結果として残っています。
こんにちは&ご無沙汰いたしております。ウドンコでお世話になりました、まろんでございます。
返信削除根鉢・・・難しいですよね。
バラの大苗の植え付け時に、水のやり忘れ防止で、ビオラやパンジー等を一緒に植えるといいですよ~と有島薫さんがおっしゃっていて、その時、根鉢のお話になりました。「春にズボッと(簡単に)抜きたいなら、崩さずに植えてください、でも、ほとんど生長しません。」ポットの土と新しい土とが混じりあっているから、新しい土に根を伸ばして、根が伸びるから枝葉が伸びる・・・というようなことを聞いた覚えがあります。覚えの悪い頭なので、間違っているかもしれませんが^^;
まろんさん 今日も寒さが骨身にしみる~なNamaste/^^
返信削除お元気でしたか~?バラ愛してますか~?(^^)
バラの花が咲くまでの間、ビオラやパンジーが楽しませてくれるので、素敵ですよね!
一年草のpot苗だと、育成期間がそれ程長くなく、比較的根詰まりも少ないですから、そのまま崩さずに植えるのが良いみたいですね~♪
おっしゃる通り、ポットの土と周囲の土が混じり合えるようなら、根はよく伸びると思います。
播種、もしくは、挿し木をして増やしたポット苗の場合で、長い間の水遣りなどで、ポットの土が固く締まってしまい、おまけに根がびっしりの根鉢の場合は、ある程度~ほぼ完全に土を落とすやりかたで植え付けないと、生長が止まるように思えます。
ここ数ヶ月、庭にある植物の植え替えを続けていて、そう思いました。
いずれにせよ、植物にとって、土は住処、根っこは大事なものですね~♪