2010-10-07

dressy sepal: La terre verte


今朝も5時前に目が覚めた。
10月も半ばになると、早朝は仄かに暗い。

ほぼ1週間前に起きた重い事象が解決して
煮え湯を飲まされていたような感触が一つ消えた。
ごく個人的で狭小な世界の出来事。

緑地球の柔らか色の蕾。
父ちゃんに似た(?)ステム。綺麗な萼片♪


長期滞在する必要のある出先ではホテル住まいになるため
バイクをレンタルする余裕も駐輪場もなく、
移動には専らバス、トラム、鉄道等の公共交通機関を利用していた。
インドの乗合バスに乗るのは大変なこともあるけど、好きだった。

10月のあおい横顔

南アジア随一の商業都市ムンバイを走る二階建ての赤いバス。
計画的な政都ニューデリーの中心部から蜘蛛巣状に走るバス。
ベンガル人に言わせれば「クッチュオノングラネィ(ちっとも汚くない)」な町並みを小気味よく走る南インド各地のバスネットワーク。
地域ごと、都市ごとにさまざまな特徴を持つインドの乗合バス。

楽趣味がこよなく愛するのは・・・

その街を訪問したことのある外国人観光客に、特に日本人に好き嫌いがハッキリ分かれるコルカタ(旧名カルカッタ)。地下鉄もトラムもあり、Bajaj三輪オートリキシャもAmbassadorタクシーもMaruti Suzukiタクシーもサイクルリキシャ(自転車のリキシャ)も存在し、裸足で人や物品を運ぶリキシャ〔インドのリキシャは日本の人力車が輸入されたもの「リクショ」「リキショ」等と呼ぶ地域もある〕も走る亜大陸東部の大都会で庶民の足として常に満杯状態で人を運ぶバス。
City of Joy!
歓喜の街コルカタの乗合バスが一番好きだ。

10月のオリヴァー

始発地点から乗り込んでもほぼ満杯状態で発車するバス。
ラッシュ時には殆どが乗車率200%近くで走っているバス。
車体が小さめなミニバスなら尚のこと途中乗車は難しい。
大きめのバスでも入り口デッキはもちろんのこと、
お尻のバンパーに乗ってる人もいたりする(コルカタに限らず)。

秋の日差しとペッシュボンボン

停留所から発車してしまったバスに「待って~!乗せて~!」
大声出しながら走って近づき、無理矢理乗り込んだは数知れず。
車内にはいると隙間がないくらいに乗客がひしめきあっている。
ジリジリと狭い隙間に体を入れ込みながら
出来るだけ居心地の良い所を探す。
暑い時には互いの汗で衣類も湿るくらい密着する。
荷物の中にはカメラやら三脚やらが入っていて重く肩に食い込む。
後ろに立つ乗客が「これどけてくれ」と文句を言う。
狭っ苦しい空間でデイパックを肩から降ろす。
足下の、少しは広い空間で重い荷物をぶら下げて立っている。
バスが揺れたら荷物共々押し合いへし合いしてバランスをとる。

今年一番の花数かもブランシュカスカード

ふと窓際のベンチシートに座るマダムと視線が合う。
マダムが微かに首を横に振り涼やかなサリードレープの膝を軽く叩く。
何も言わずにぶら下げていた荷物をマダムの膝に載せる。
マダムは以前のように車窓からの風景に視線を戻す。
決して軽い荷物ではないのに・・・
しかもゴツゴツと肉に食い込み痛いだろうに・・・

やっと虫害のない姿にお目にかかれたTender

最初、年配のマダムが痩せ細った手を伸ばし、
楽趣味の荷物を奪うようにして膝に載せてくれた時は
驚くと同時に恐縮してしまったものだ。
ビックリした顔つきの楽趣味を滑稽に思ったのか、
近くに座る別の乗客が訛のキツイ英語で教えてくれた。
「ベンガルでは座席に座る人が立ってる人の荷物を持つのよ」
全ての人がそんな優しい気遣いを示すわけではないけれど、
十中八九、重い荷物を持って(膝に載せて)貰ったような気がする。
その日の夕方、宿泊所の窓から見えた夕陽は赤く空を染めた。

見知らぬ人の何気ない優しさが心に浸みた。


♪ウッチャロ~ コ ヒンドゥスタヌチャレ~♪
町並みから察するにロケ地はムンバイ辺りだろうか?



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