2010-11-30

tree of sorrow 夜に香る悲しみの木

夜に咲いても
日の出前に
潔く散りゆく花

インド夜香木〔ヨルソケイ〕



インド原産の落葉低木である。

今年は背丈が余り伸びなかった皇帝ダリア
メインの茎のほうにパラパラと咲く花

梵語ではシェーファーリカーSephalika
ベンガル語ではシウリSiuli
そんな名前の夜香木

今年最後のしのぶれど・・・悲しみの青

ヒンドゥー太陽神の心が自分から離れたことを知り
パーリジャータカは悲しみにくれて命を断つ。
そこから一本の木が生え、
夜に花咲き、太陽神が顔を出す前に散って落花する。
シェーファーリカー
悲しみの心が涙となり花になって雫を落とす。


黄金のベンガル
哀切を帯びたかのような白く澄んだ花。
詩聖タゴールは歌う、シウリ、シウリ。


筒状花弁の底には橙色が鮮やかに流れ
白い布をほんのりオレンジに染める。
早朝、花を拾って糸で綴って
香りの花輪をつくり捧げよう。

香りの愛に包まれて安らかにお休み。


***




※西岡直樹著『インド花綴り』によると、毒気虫に刺されたとき、刺さった毒毛を抜き取った後、ザラザラしたインドヤコウボクの葉で擦っておくと良いらしい。ヤコウボクの葉にはエステル類〔酸化化合物類〕のメチルサリチレートが含まれていて苦みがあり、葉汁と蜂蜜で解熱効果もあるとのこと。



夜香木(ヤコウボク)...
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