2010-06-20

バラのうどんこ病再考2010

バラを育て始めて毎年春先に(時には秋にも)悩まされていたバラのうどんこ病。これまで何度かに亘って記事を書いてきました。とくに2~3年前の春はうどんこ病に罹らない苗は無い位の状態で、こっちの苗が症状緩和したかと思うと、あっちの苗がお化粧したりして「いっそのこと羅病葉を全部むしっちゃおうか?!」と半泣き状態で処置してました〔ここ数年のうどんこ病処置についてはラベル「バラの病気(うどんこ病)」を参照して下さい〕。



《例年真っ先にうどんこ病に罹っていたニュードーン》

バラの株数が一気に増えた昨年に思った事。
「こりゃ、来春(2010年の事)うどんこ病処置たいへんかも」
それなりに心づもりをしてはいましたが、反面「そうなった時には何とか凌げるだろう」という気持ちもありました。
葉水・ニーム撒布・重曹(もしくはセスキ炭酸ナトリウム)希釈液での拭き取り・アグリチンキ撒布・初期症状の緩和に「カリグリーン」・いざとなったら「パンチョ」撒布等々。


《うどんこ病に弱いと謂われる粉粧楼ですが・・・》


と・こ・ろ・が!
「今年も出たっ!」においても書いたように、バラにはうどんこ病が殆ど発生しなかったのです。去年の秋以降、発生したという記憶がない。
昨秋から今日までうどんこ病が出たと言えば・・・
・去秋アジサイ「フェアリーアイ」《軒下》
・先月レモンバームの一部《軒外》
・先月ブルゴーニュ高位葉一枚と1花首のみ(^^;《軒外》
・到着して数日後の2ndストリートティーの新芽に少々《軒下》
こんなもん、なんです。。。

また同じ事を書いて恐縮ですが、
軒外軒下問わず新参株古株問わず
「うどんこ病ほぼゼロ」状態だったわけです。
はて~?
何がどう作用したのだろう?
春の長雨や春先の低温といった気象条件が関係しているとは考えにくいかなぁ。昨年までやってきた事の違いって殆ど無いしなぁ。強いて謂えば、ニームが赤と緑のWになって、これまでのニームケーキ(ニームパウダー)がニームカーネル(ニーム核油かす)に変わったぐらいでしょうか。
うどんこ病が発生しないのは良い事なのでしょうが、
何だか狐につままれたような感じ(^^;;


《ガブやんも軒下組:うどんこ病発症してません》


んで、も一度お復習いしておこうと
Wikipediaから興味深く思った箇所を以下抜粋。
うどんこ病:子嚢菌のウドンコカビ科の純活物寄生菌による植物病害の総称。葉や茎がうどん粉をかけたように白くなる症状(中略)ウドンコカビ科自体は高緯度の冷涼地帯に分布中心がある菌であるが、分生子が過湿環境であると給水のし過ぎで破裂しやすいこともあり、高温乾燥時に蔓延しやすい。冬になると有性生殖を行って黒い粒状での子実体(子嚢殻)を形成し、この形態で越冬するが、温暖地では有性生殖が起こりにくい傾向がある。後に子嚢殻の内部には子嚢と子嚢胞子を作る。子嚢殻の表面には、複雑な形の付属糸が生えており、これが分類の基準となる。
原因菌は Erysiphaceae(ウドンコカビ科)に属する子嚢菌(一部は有性生殖が確認されていないために不完全菌に分類される)で、その種類は植物種によって異なる。
ブドウ:Erysiphe necator(またはUncinula necator)
麦類:Blumeria graminis
モモ:Sphaerotheca pannosa
イチゴ:Sphaerotheca humuli
トマト:Oidium lycopersici
キュウリ:Erysiphe polygoni / Sphaerotheca cucurbitae
バラ:Sphaerotheca pannosa / Uncinula simulans
クワ:Phyllactinia moricola
〔予防・防除〕
窒素肥料は少なめにし、株・葉の間を開けて風通しをよくする。
土壌の排水性を良くし、根が健全に育つように努める。
麦類などでは刈り株に菌が残るので、除去する。
異なる種類の作物を輪作する。
殺菌剤(アゾール系や炭酸水素カリウムなど)を用いる。
乾燥すると発生しやすい病気なので、水を散布する。


《花首にうどんこ病発見後すぐに拭き取ったブルゴーニュ》


【新たに認識した事と再確認した事】
・うどんこ病菌は生きている植物に寄生する菌である。
・寄生する植物〔宿主〕は菌によって異なる。
(楽庭のアジサイに寄生した菌とバラのうどん粉菌は異なる)
・菌は高緯度の冷涼地帯に分布中心がある。
・過湿環境下に分生子が破裂し、高温乾燥条件下で蔓延する。
・黒粒状の子嚢殻で越冬する。
(越冬する子嚢殻を除去すれば次期の発生予防になる?)
・予防のため窒素過多にならないよう注意する。


ほほぉ~~っ!
これで合点がいく。カビ科の菌なのに(発生したら)葉水することで蔓延を防げるというのが一寸不思議な感じだったけど、うどんこ病 Powdery mildewに記した
分生子の形成発芽感染の好適条件

「過湿環境であると給水のし過ぎで破裂しやす」くなり、

分生子の成熟と飛散の好適条件

「高温乾燥時に蔓延しやすい」から、
葉水することで適度な湿度を与え蔓延を防ぐってことではないかしらん?
だから、高湿度と低温という分生子発芽条件が整った後、一旦分生子が成熟して飛散したら、例えば軒のあるヴェランダで高温乾燥という条件が相まってうどんこ病が蔓延しやすくなるってことなのね。
約一年かけて漸く合点!合点!!(^^;;


《昨春うどんこ病だらけで樹勢を落としたテンダー。
セスキ炭酸ナトリウム希釈液でうどんこ菌消毒した株の一つ》


ということは・・・?
軒があろうと無かろうと(多少の影響はあるだろうけど)、うどんこ病は発生する時には発生するって事では?(現に雨のかかる場所にあるブルゴーニュに一部発生した)楽庭で去年秋からこの方うどんこ病が殆ど発生していない要因は何だろう?

A)分生子の発芽条件が整わなかった
B)越冬子嚢殻が減少した

A)はこの春に限って言えばある程度当てはまるかも。
B)だったら、減少させるに至ったのは何の功績?赤ニーム?
窒素過多だとうどんこ病が発生しやすいということだけど、ニーム大佐(ニーム核油かす)の窒素分は割と多め。それを昨年7月からコガネムシ対策として満月の頃薄く鉢表土にバラ撒き続け、冬の土替え時にはほぼ全ての鉢底土に元肥代わりに混ぜている楽庭のバラにうどんこ病が極少なのは何故?

またまた疑問が残ってしまいました土佐。



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4 件のコメント:

  1. 繰り返し散布することで、
    出づらい環境になってきます^^

    特に環境をリセットするような強烈なものでなく、
    少しづつ、バラが好む環境を整えるタイプの場合!

    経験からのものでしたが、
    ここまで上手く活用してもらえるなんて、

    何よりもうれしいですよ♪

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  2. てんちょ Namaste/^^

    やっぱ「継続はバラの力」になるの鴨川の夜なんだねぇ~
    (^^;
    バラが好む環境かぁ・・・品種によって応答/反応(?)の仕方が違ってくる感じだけど、それは、フラウホレ、栽培上の楽しみって思って益々楽しんじゃおうって思ってます。^^

    ♪しんぱ~いないさ~いつか応えてくれるさ~♪

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  3. 我が家では今年、うどん粉初体験でしたが、
    セスキで拭いて赤ニーム散布して、それで終息したみたい。
    葉っぱにちょっとあとが残っているけどそれっきりです。

    うどん粉もだけど、黒星も去年よりかなり少ないですよ^^
    素っ裸ーニバルをやっているのは、今のところラテアートだけです。

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  4. みけさん Namaste/^^

    みけ家ではうどんこもセスキーナも2010初体験でしたものね(^^;
    終息して何よりです。
    楽んちの茶バラの新苗も少々痕が残ってますけど元気ですよ~。これくらいのうどんこ(苗数全体からしたら、ほんのちょぽっと)だったらぜ~んぜん楽勝ですねぇ..。今後もこうあってくれれば万々歳です。

    そう言われれば、黒星も昨年までとは比較にならないほど少ないかも(^^;
    なんせ、黒星大魔王のアブラカダブラが超元気っすから^^

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