2010-05-27

study room-bacteria, fungus, virus-

本記事は、ちょいとウィルスについて調べて書きかけていた記事です。
ウィルスと細菌や菌類ってどう違うの?本来ならbiology study noteというラベルが必要なのだろうけど、ワケワカメになるので、この記事はbotany study noteにて仕分ける。
ん?仕分ける?
今年流行語大賞候補でしょうか>仕分け人
誰の目にも明らかに「無駄」と映る事業を見直すのは悪いことではないのだろうけれど、仕分けをする御自分達(公人なのだから)の懐勘定も曖昧模糊たる状態にして棚上げせず、しっかり「仕訳」して貰いたいものだ。


それはさておき、まずは、バクテリア(細菌のこと:生物学上は「真正細菌」とも言われる)、フングス(菌類のこと:バラの病原菌として多く知られる真菌もここに含まれる)、ヴィルスの語源に遡って調べてみました。
今回利用したページは、コチラ

ONLINE ETYMOLOGY DICTIONARY

●バクテリアbacteriaという語は、
1847, from Mod.L. pl. of bacterium, from Gk. bakterion "small staff," dim. of baktron "stick, rod," from PIE *bak- "staff used for support." So called because the first ones observed were rod-shaped.
とあるように、ギリシャ語由来の「小さな杖」。光学顕微鏡ではバクテリアの形が細長い杖のように見えるからでしょうか。

●フングスfungusとは、
1520s, from L. fungus, learned alternative to mushroom. (Though funge was used in this sense late 14c.). The Latin word is believed to be cognate with (or derived from) Gk. sphongos, the Attic form of spongos "sponge" (see sponge).
つまり、キノコなわけね(^^) スフォンゴス〔ギリシャ語>スポンジ:海綿体〕からフングスが生じたっつぅワケですか。なるほどぉ~。

●ウィルスvirusという語は、
late 14c., "venomous substance," from L. virus "poison, sap of plants, slimy liquid," probably from PIE base *weis- "to melt away, to flow," used of foul or malodorous fluids (cf. Skt. visam "poison," visah "poisonous;" Avestan vish- "poison;" L. viscum "sticky substance, birdlime;" Gk. ios "poison," ixos "mistletoe, birdlime; O.C.S. višnja "cherry;" O.Ir. fi "poison;" Welsh gwy "fluid, water," gwyar "blood").
ほほぉぉ..元の意味は「毒」ですか。
サンスクリト語visamとも共通してますね。
因みに手持ちのThe New College Latin and English Dictionaryでvirus(n)〔nって何のアブリでしたか~?>bloomさん、みけさん^^〕をひくと、venom, slime, stench, pungencyと出てきます。左から順に「毒」「ヘドロ」「悪臭」「刺激」という意味。

取扱は薬学分野だけど、分かりやすい図があるので
・ウィルスと細菌と真菌(カビ)の違いをどうぞ。
ちょいとここで上図を参考にまとめてみる。
【ウィルスとは
(1)大きさが「ウィルス≪細菌<真菌」ってこと
(2)ウィルスには細胞壁等の細胞質がない。
(3)ウィルスは細菌・真菌等の細胞生物と異なり代謝をしない。
(4)ウィルスは単独では自己複製出来ない「他者寄生型物質」である。
(5)ウィルスにはDNAかRNAのどちらかしか存在しない。
(6)細胞生物がwetなのに対してウィルスはdryな物質である。
(7)細胞生物の形が不定形であるのに対しウィルスは定型である。

更に、突然だけど、ここで生物分類学の話をまとめてみる。
【3つのドメイン】
高校の生物の授業で楽趣味が習ったのは植物界と動物界という分類だったけど、楽Jr.の生物の教科書には「真核生物」だの「古細菌」だのという見慣れない単語が出て来て、ドメインdomainという聞き慣れない言葉も出現する。今や生物分類は「生物を基本的な遺伝の仕組みや生化学的性質を元に分類する」〔Wikipedia真核生物Eukaryoteより〕3ドメイン説(詳細はコチラ)が最新のものだそうです(^^;
3つのドメインとは、
・真正細菌(原核生物)
・古細菌(原核生物)
・真核生物
これらを系統樹にしたのが全生物の系統樹の1例(日本語版)
因みに、我々人間は60兆個程の細胞からなる多細胞真核生物。^^

ウィルスを生物と捉えるかそうでないかは議論の終結点が見えていないらしいけど、
・ウィルスとは〔北海道立衛生研究所〕
を読むと、何やら生物のようでありながら生物ではないエイリアンドロイドのように思えてきた。動物や植物だけでなく、時には細菌にも取り憑き^H^H付き、その細胞を乗っ取り、ウィルス自体内にあるDNAやRNAを使って自己複製し増殖するなんて・・・。自己を存在たらしめるための増殖システムの凄まじさ・・・。

ここ数ヶ月日本列島を震撼させている口蹄疫伝染病、これもウィルスの仕業。
『口蹄疫ウイルスと口蹄疫の病性について』によれば、その伝染力は他のウィルスに類を見ないほど激しく速いとか。

「今更」だけど・・・2010年3月頃から中国・韓国・日本における口蹄疫アウトブレイクの兆しを憂慮した国連農業機関FAOが4月下旬に監視強化の呼びかていたにも拘わらず、日本の行政機関の適宜かつ機敏な対応は見られなかったように思う。現に、宮崎県が非常事態宣言を発令したのは5月中旬、その頃事態を重く見たFAOからの専門家チーム派遣を日本政府は断っている(このことは日本のマスコミでは余り大きく取り上げられなかった)。何故なのか?


前世紀の終わり頃だったか、イギリスで口蹄疫被害が甚大になったのは..。嘗てはフランスからドーバー海峡を越えて英国にまで感染拡大した事もある程容易に広範囲に猛威の触手を広げるという。伝播範囲は地上で60km、海上では250kmというから強烈以外の言葉が見つからない。ウィルスの自己増殖能力が如何に凄まじいかの典型例であろう。


ウィルスの存在が発見されたのが19世紀末。タバコモザイクウィルスの発見が最初? 科学者がウィルスと相対してきた時間は決して長くない。
ウィルスにはエンヴェロープと呼ばれる膜のような物を持つタイプと持たないタイプがある。エンヴェロープを持つタイプのウィルスは、それを失うと感染力をも失うとか。エンヴェロープは大部分が脂質からなるため消毒用アルコールでウィルスを不活性化できるそうだ。口蹄疫ウィルスもエンヴェロープをもつタイプ。石灰が利用されているのはそのためか。


***
今回の口蹄疫被害地では人も物資もお金もまだまだ充分じゃないようです。インターネットで募金が出来るのであれば、少しでも役に立てればと思います。
ゴマメの歯ぎしり大海をも揺るがす。

宮崎県:口蹄疫被害に対する義捐金の募集

ここには何通りかの募金のやり方が記されています。

楽天でもポイントを義捐金に加算できたらいいのに(ぼそっ)

4 件のコメント:

  1. おはようございます。
    ウイルスの恐いところは、その凄まじい自己増殖の過程で、容易にその姿を変えて行く「変異」。
    たとえばインフルエンザなどでも、去年問題になった「新型」が次に出てくるとき、去年の彼ら(ウイルス)と同じ能力かどうかわからない。下手をすると一回の流行中にでも変異体が出てきてしまうのです。
    口蹄疫にしても、朝鮮半島での流行の時、既にこれまでよりも感染力が増しているようだと言う推測ができて、FAOが警告を出していたのに、日本政府はこれまでと同様のことで充分という判断をしてしまったのでしょう。
    遅まきながら流行が始まってからは、知事をはじめ現場が悲鳴を上げていたのに、それさえも軽く聞き流してしまった感が否めませんよね。
    祭りごとが乱れるといろいろな厄災が増えるもんです・・・・

    私も寄付してきましたよ。

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  2. みけさん Namaste/^^

    ウィルスって定住する場所を失って、それでもどこかに棲む場所を求め続ける行く当てのない彷徨人のようですね。どうやったら宿に適応できるのか、適用しようとすればする程、宿主や宿に前から棲んでいる住人からは嫌がられてしまう、それこそ宿命を抱えながら彷徨うエイリアンのような。

    今回の口蹄疫被害拡大は人災とも言えると思います。いずれのレヴェルでも初動体制が不備。
    一日でも早く収束して、関係者の方々の笑顔が見られる日が少しでも速く訪れたら良いなと思います。

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  3. 楽趣味さん Namaste(^O^)/

    近年ウイルスによる被害を多く耳にするようになりましたね。数ヶ月前の「鳥インフル」も今では口蹄疫がニュースの大半を占めているけれど、その後もまだ立て直しは続いているだろうし、そして今回の口蹄疫。大切に育ててきた牛たちを殺処分しなくてはいけない。想像を絶する苦悩だと思います。
    日本政府の対応見てるとホント腹たちますヨ!後手後手の挙句、不備だらけで。。。

    今日これから寄付してきます。
    少しでもお役にたてれば。

    話かわりますが、『ベイシーズ』。1つお花見れたのですが、他のお花は悪天候&パトロール不足で、吸血鬼に房ごとやられました(T_T)
    ベイシーズは房咲きということと、美味だと勉強したQAです・・・

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  4. QAさん Namaste/^^

    ベイシーズ開花しましたか~♪
    それはそれは素晴らしい!
    復活してくれて嬉しいですね♪
    パトロール不足って結構ダメージ大きいですよね(--;
    楽んちも先々週~先週と、かなり荒れてしまいました。
    ま、今年は仕方ないですけどね。。。

    英国での口蹄疫被害を教訓にして、欧米では(特に北米)では厳しいチェックが行われてきているようです(移動を伴う軍関係の消毒とか)。食肉の全世界的な移動は止めようもないので、検疫所でのチェックも厳重性が求められるのでしょうが、人手の問題もあるみたいですね。
    前例からの教訓を得るって、こういう場合はシャカリキにならないと多くの命が失われてしまうので、行政にはしっかりして貰いたいですよね。
    獣医さん始め対処に追われている関係者もたいそう疲労が溜まっているのではないかなぁ。

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